1991年発売
幻の男サンティアゴを追ういくつもの人間の足跡が、いまひとつに交わろうとしていた。そこには様々な思惑が入り乱れていた。ある者は自らの名声のために、ある者は彼にかけられた巨額の懸賞金のために、そしてある者は…。最後にサンティアゴと雌雄を決するのははたして誰か?悪にまみれた彼の経歴に隠された真実とは?遥かなる大銀河の追跡行は、いかなる結末を迎えるのか。
アメリカ海軍の切り札、空母ほどに巨大な原子力潜水艦〈インペレーター〉。ハイテク兵器を満載したこの黒いモンスターは、いま北極海をめざしていた。ソ連が北極海の軍事的支配をもくろんでいるのだ。断固阻止せねばならない。だが、すでにソ連潜水艦部隊の精鋭は、モンスターを仕留めるべく厚い氷の下で待ち受けていた。無数の魚雷が飛び交う沈黙の戦場で、虚々実々の駆け引きの果てに生き残るのは…。ハイテク軍事スリラー巨編。
ある夏の日、カールとレギッツェの老夫婦は家族や旧友たちを招きパーティーを開く。にぎやかな宴の中、二人の心に去来する様々な想い。家族、友人、夫婦、愛とは-。人生の真実を淡々と描く、デンマークの国民的ベストセラー小説。
城本硬一郎は花村電工のニューヨーク支店長代理。夜な夜な白、褐色の肌を愛で楽しんでいるが出世志向も人一倍強い。折しも視察に来た副社長を女で歓待攻めにしまんまと本社復帰に成功する。日本でも女漁りは止まらないがただ寝るだけでなく、女たちをスパイに仕立て上司の弱みをつく作戦に出た。これが見事図に当たり人も羨む出世街道まっしぐら。
関東最大の暴力組織・国士連合会会長の田丸勇をつけ狙う一匹狼の殺し屋がいた。口からは毒針を吹き、指のない両手は右手がドスに、左手からは鉄球が飛び出す仕掛けになっていた。このニヒルな殺し屋と、田丸を守る白麗華との熾烈な対決。カンフーの中でも最強の拳技とされる雲龍拳と、一撃で頭蓋骨を粉砕する偉力を秘めた鉄球との、息づまる死闘。
ロサンジェルスでは、今日も高級車専門の車両窃盗団が跋扈していた。市警車両窃盗課のベテラン刑事プロフスキイは大がかりな犯行現場に遭遇するが、逆に相棒を射殺され、みずからもカーチェイスの末に負傷する。復讐の念に燃えたプロフスキイは、配属されたばかりの新米刑事アッカーマンとともに、執拗に犯人を追う。犯罪都市ロサンジェルスを舞台に、追いつ追われつの警察アクション。
独身商社マン・南部良平は、仕事は有能かつハンサム。非の打ちどころがない男なのに、いざ結婚となるとなぜかうまくいかない。一計を案じた良平は、結婚前に、様々な女を徹底的に研究しようと決心するが…。長篇官能ロマンPART1。
夕子とゆかりは、イマドキの女子大生。バイト先で知り合った旅行代理店の吉村から、いまいちばんトレンドなリゾート地、タイ・プーケットへの旅行をプレゼントされた。だが、二人は穴うめ要員として、偽名を使うことが条件だった。不審を感じつつも、プーケットに出かけた二人。そして旅を満喫しようとした矢先のこと、吉村が殺された。しかも、彼は旅行代理店の人間ではなかったのだ-。軽い気分でリゾートしたはずの女子大生が遭遇した連続殺人事件の真相は?著者が新境地に挑む書下ろし長篇トラベルミステリー。
レスビアンの私は、楚々とした美女・高子に女同士だけが味わえる恍惚の味を教え込んで恋人にした。だが、高子は男のもとへ走り、やがて私は拾てられた。相手が男であることで凄まじい嫉妬に陥った私は、高子を殺そうと決意するが…。嫉妬が生み出した奇怪な犯罪を描く表題作をはじめとする異色官能サスペンス集。
子を捨てて自由な恋愛に生きる母親。女が女を愛してしまった果てのない自問。孤独な精神の無菌室を壊して再生をはかるまでの手記が三番目の父親へ託された。第104回芥川賞候補作、「海燕」新人文学賞受賞作を含む大型新人の第一創作集。
強引にポーランドに侵攻したナチス・ドイツを、占星学でいう白羊宮(牡羊座)の守護星、軍神マルス(火星)になぞらえて象徴的に描いた、ホレーニアの代表作。当然のごとくナチスの逆鱗にふれ、発禁処分にもなった幻の小説。
人妻に惚れて家出した兄を追って、妹のダンサー、アキは夜の深海魚たちが乱れ狂う、ミラーボール廻る世界へ…。いつか兄のことも忘れ、肉悦の啜り泣く快感の日々に溺れていく…。華やかなダンスホールを舞台に、男と女の官能の世界を、スリリングに、かつ情感豊かに描く著者の最新官能長編。