1991年発売
超空間宇宙船〈レッドシフト〉-その船内では、光の速度は秒速10メートル、音速にいたっては、わずか6.6メートル。走るだけで音速は超えられ、赤方偏移も起こってしまう。そんな船内で殺人事件が発生した。〈レッドシフト〉は超空間階層の間を航行中で、外部の世界とは隔絶しているから、乗員か乗客が犯人であることは間違いない。一等航行士ジェイスン・クラフトはさっそく捜査を始めるが…。話題の長篇ついに登場。
ダーニクの活躍で魔神を撃退したガリオン一行は、予言に記された対決の場所の秘密が隠されているケルの町まで、あと一歩というところまで迫っていた。一刻も早くケルで秘密を明かさないことには、ガリオンの息子はザンドラマスの手でいけにえにされ、全世界が闇の手に落ちてしまう。ところが、ケルには、よそ者を寄せつけないための呪いがかけられていた。はたして、ガリオンたちは無事ケルにたどりつけるのか…。
白血病という不治の病にもかかわらず、大金持ちの青年ヴィクターは才気にみち、生き生きとしていた。健康そのものの美しい娘ヒラリーは、隠遁生活をおくる彼の看護をするうち、自分にはない知性とエキセントリックな魅力に惹かれ、彼の愛人になった。だが一方で、彼女を求めるごく普通の健全な若者とも恋におちる…。潮風が吹くボストン近郊の海辺の町を舞台に描く、痛切な愛の三角関係。アメリカ文壇の新星が放つ話題作。
楽しい時はもちろん、疲れた時も笑いは一杯の酒にまさる。ブリタニカ百科事典をナナメ読みした学識豊かなラブストーリー「エンサイクロペディア国の恋」。おたがいに誰だか思い出せない2人がばったり出会った場合の困った会話「やあ、ひさしぶり」。などなど、ロバート・ベンチリー、コーリイ・フォード、アート・バックウォルドらアメリカン・ユーモア黄金期の名篇の数々を『ユーモア・スケッチ傑作展』からさらに精選。
ユーモアのセンスこそ、人生の貴重な宝物。ぞろぞろいた楽音家バッハの一族に光をあてる「忘れられたバッハ」。楽しい遠乗りの1日がだいなしになってしまう「自転車の修繕」。なぜそういう時に限ってそういうことが起きるのか(あるいは起きないのか)という重要問題を解明する「フェトリッジの法則」。フランク・サリヴァン、ジェローム・K・ジェロームら、英米加の笑いの名品を『ユーモア・スケッチ傑作展』から抜粋。
ミステリ専門書店を経営するアニーは、地元劇団のリハーサル中に起きた本物の殺人事件に巻き込まれてしまった。しかも第一の容疑者は愛しい恋人のマックス。アニーはミステリから得た知識を頼りに、事件の謎に挑戦するが…。ミステリを心から愛するコージー派の著者が贈る、本格推理の新シリーズ第1弾。アンソニー賞、アガサ賞ダブル受賞に輝く話題作。
中原全土を巻き込んだパロ=モンゴールの戦いは、人々の運命を大きく変えた。パロの遺児リンダとレムスは、辺境の地で出会った豹頭の超戦士グインに守られ、無事草原の国アルゴスにたどりついた。しかし、風雲急を告げる中原情勢は彼らを離れ離れにしてゆく。一方パロの都クリスタルでは、美貌の公爵アルド・ナリスがパロ奪回の計略を着々と進めつつあった。-未曽有の大河ロマン、グイン・サーガ。第3部戦乱篇ここに登場。
イスタンブール沖に浮かぶ帆船の上でテレビのミニシリーズを製作中の映画クルーが、クルド人ゲリラの一団に襲われ、人質に取られた。ゲリラたちの目的は、映画クルーの解放とひきかえに、クルド国家建設のアピールを全世界に放送させること。アメリカ領事館のテロ対策専門家ポール・サイラスはトルコの警察当局と協力して人質の解放に全力を傾ける。だが、ゲリラのリーダー、リトル・フォックスは狡猾で、なかなか〓@68D2を見せなかった。その矢先、リベラルな言動で知られる映画の主演女優アマンダ・モーガンが、人質の身代わりを申し出て、事態は思いもかけない方向に進んでいく…。祖国建設の悲願を叶えようとするクルド人ゲリラのリーダーを軸に、アメリカ、トルコ、そしてソ連の特殊部隊までを巻き込んで展開するテロと暗闘。ロス・トーマスらに絶賛された期待の新鋭の冒険アクション。
挫折したピアニスと声楽家の恋を描き、人間と芸術のかかわりに迫る表題作、ぼけかかった妻がぼけてしまった夫の心を再発見する「ホラスとマーガレットの52回目の結婚記念日」、老人に教わった魔法で少年が空を飛ぶファンタジックな「崖」など-。ストーリーの面白さ、テーマの切実さと奥深さ、登場人物の魅力が渾然一体となって、人生の歓びと不思議と恐怖を映しだす。
俺は“キツネ”。元ヤクザだ。幼馴染みの玲子と飲み屋を経営している。そんな俺のもとへ古巣の福岡組の徳光が厄介な話を持ってきた。金の入った大型アタッシュ・ケースを預かってほしいと言うのだ。つい引き受けてしまったのが運の尽きだった。福岡組から狙われ出したばかりか、元相撲取りの蒼の海というおかしな野郎の面倒まで見る羽目になり…。元ヤクザと元相撲取りの最強コンビが暴力団を相手に凄絶な闘いを繰り広げる-。ハードボイルドの枠を超えた大型新鋭渾身の究極のエンターテインメント。
巡視船「おおすみ」は、台湾の密輸船を追って尖閣諸島の領海へ入り込んだ。が、そこには中国海軍の駆逐艦「長征」が待ち受けていた。なぜ、中国の軍艦が?ブリッジの緊張が最高潮に達した時、突如、超高速機動艇が出現した-。海上自衛隊が極秘に導入した最新鋭の軍艦「シーデビル」だ。電撃的速攻で「長征」の行く手を阻み、密輸船を撃破。しかし、捲土重来を期す中国海軍は、新たに東海の大艦隊を南下させ始めていた…。不可侵の海域をめぐって、日・中が遂に激突、アジアの秩序は崩壊するのか。