1992年4月1日発売
幕末から明治にかけて日本を震感させた暗殺・襲撃の5大事件にスポットをあて、襲う者・襲われる者のその日その時の行動と心理のあやを巧みに描写する。「桜田門外の変」「尊王攘夷派清河八郎の死」「池田屋事変」と追いながら、未曽有の激動に読者を巻きこんでいく。
ジェラルドとジョージは一見仲の良い双子の兄弟。一心同体とも言うべき2人は家族の宝であり、皆のアイドルだった。しかし、長年消息の途絶えていた弟のジョージが突然姿を現わしたとき、兄のジェラルドは再会の喜びよりもあるうとましさを覚える。ジェラルドは一週間の約束で家を弟に明け渡すが、帰宅した彼を待ちうけていたものは。『ワールズ・エンド』『モスキート・コースト』『0=ゾーン』の鬼才ポール・セローが、双子の兄弟のひそかな近親憎悪が引きおこす謎の怪事件を描いたサスペンスロマン。
『赤い小人』、『メテオール(気象)』などの作品で知られる著者による、人生へのエスプリに満ちた短篇集。インドで迎えたクリスマスの思い出話「星に物乞いする男」、美少年との同性愛への賛歌「アフリカの情事」、レジスタンスの“闇の世界”を描いた「花火製造あるいは記念日」、天地創造の寓話「音楽とダンスの伝説」他、全20篇を収録。
銀幕の美女に恋したおたくな少年は、彼女のすべてを手に入れたいと願った。美貌の女優は華やかな成功とひきかえに、かけがえのないものを失っていた…。水の都ヴェネチアを舞台に繰り広げられる、ある奇妙な愛の物語。
…ジーンと深く感じていた秘口の熱さは、横溢感に変わり、腟のとばくちをくすぐりながらオシッコのような感触の愛液をあふれさせて…。グルメに温泉、ディスコにホストクラブ、バブルが弾じけても、やっぱり元気なのが若いOLたち、淫奔過激な彼女たちの夜の生態を描く官能ロマン!
平凡な日常の男女関係ですらミステリアスなものであるが、ひとたび愛憎の情がからめば、その関係は犯罪へと向かう。そんな人間の葛藤に冷徹な眼を向け、打算のみで動く今の社会を抉り、興味津々なエンターテイメントとして造り上げる名手・多岐川恭の傑作ミステリー第3弾。
「一言も聞いてなかったぞ」編集長は憤慨して言った。それは、全国紙に掲載された有名アイドルの写真集の広告から始まった。カメラ雑誌の編集者である小関雄と、マニアと自ら認めるえすえふ作家、吉田均。そのふたりが、さまざまにカメラと関わってゆく。アイドル写真にいのちを賭けるカメラ小僧たちはなぜ白い胴の望遠レンズを使うのか?その、ファン心理に迫る「アイドル狙いの標準レンズ」。など、など、こだわりの作家〈吉岡平〉の書き下ろし小説。
怨念のクモの巣は張られた。何も知らず飛び込んで行くプレイボーイ。ロンドンからワシントン、更に南太平洋へと、男の転地を調査網が追う。紙一重の愛と憎しみに翻弄される2組の男女、うち生き残るのは誰か?愛で結ばれた運命の夫婦を操るのは誰か?米大陸からパリ、アテネに舞台を移して、壮絶な物語が展開する。’90年度文芸単行本。年間ベストセラー第1位。