1993年1月15日発売
お上の刺客をなんとかかわし、一行は八月霜柱立つニシベツで折り返した。喘息の発作に見舞われながら、息子の一途な恋に心を砕き、はたまた弟子の片思いから母娘の仇討事件に首を突っ込み、“臆病剣”達人の命の洗濯の会を開くなど、奥州百十一次、“全き善人”忠敬の一歩は事件をかい潜りかい潜り江戸へ。全五巻。
新婚旅行先のオーストラリアで、田川は七人の老人たちが断崖から次々と飛び下りるのを目撃してしまった…。それから十七年。中古マンションに引越した田川家の周辺に奇妙な事件が続発。娘・裕果の部屋に洋服ダンスから現われる不思議な少女は誰なのか。十七年前の事件がチラつくのは何故か。真相は?
懲りない面々がムショから出てきて、悪党退治の大活躍。もちろん主役は作家になった安部譲二。悪徳地揚げ屋を懲らしめ、新興宗教を粉砕し、賭場荒らしを撃退し、中学校の校長先生をやり込める…。長年のヤクザ生活で鍛えた手口とゲリラ戦法で胸のすく現代の必殺仕置人ぶりが楽しめる痛快長篇ピカレスク。
浪花の刑事・ブンこと文田は大阪府警捜査一課の若手で、総長こと総田部長刑事と名コンビを組んでいる。本部にバラバラ事件の報が飛び込んできて、エリート青年刑事五十嵐と競争になるが、ブンは京都風を吹かせる五十嵐と合わない。そこへ今度は心中事件。二つの事件は妙な所でつながりブンは振り回される。
虐殺されてゆく恋人の血まみれの姿を眼前に見せつけられたあげく、命を奪われた少女。その母親は次期副大統領候補と見なされている財界の大物だった。二人の殺害は最近起っている連続アベック殺人のひとつなのか?殺人訓練を受けているCIA内の変質者のしわざなのか?検屍官ケイの苦闘はつづく。アメリカ・ミステリー作家協会賞、イギリス推理作家協会賞受賞。
五人の日本人が、アフリカ奥地ナラザニアを探検して莫大な秘密を密かに持ち帰った。しかし、彼らはブードゥーの呪術で次々に殺されていった。所持していた黄金仏と一枚の地図は果して何を意味するのか?呪術師と死闘を繰り返し事件の核心に肉迫した地虫平八郎に魔手が迫る。伝奇スーパーアクション第二弾。
黒人スラムと化した公営団地ダブル・デュースの路上で、十四歳の少女と赤ん坊が射殺された…。犯人と目される黒人少年メイジャーは住民の誰もが恐れるギャング団のリーダーで、ダブル・デュース一帯を牛耳っていた。その教区の黒人牧師に雇われたホークが事件の解決に乗り出すが、ホークはスペンサーに協力を求めてくる。ところが、ホークに恋人が現われ、TV局のプロデューサーである彼女がホークに同行して少年ギャング団の実態を取材しはじめたことから、ことは面倒になってきた…。兇暴な黒人少年ギャング団と渡り合う私立探偵スペンサーと相棒ホーク。最強コンビのぴたり息のあった活躍を痛快に描く、人気シリーズ第19弾。