1993年6月20日発売
殺しの匂う街殺しの匂う街
駐車場で車を修理していた男は、いきなり立ちあがると、ショットガンをかまえた。そして、私立探偵レイ・ソマーの目のまえで、親友の息子サリーに銃弾を浴びせかけた。無残な最期をとげたサリーは、大学を卒業したばかりで、父親のあとを継いで弁護士になろうとしていた。そんな前途有望な若者が、なぜ殺されなければならないのか?怒りに燃えたソマーは、自分で犯人をつかまえようと独自の調査にのりだした。サリーの車で発見されたコカインは、何を意味しているのか?殺される直前にサリーがもちこんできた娘の失踪事件は、今回の殺人事件と関係があるのか?そして、娘の行方は?娘の姿を捜査し求めて街にくりだしたソマーは、路地裏で何者かに襲われ、意識をうしなった。そして、気がついてみると、そばには死体が…。退廃と暴力の街ニュヨークで生まれ育った男が、死と隣りあわせの調査に執念を燃やす本格ハードボイルド。
天の華・地の風(5)天の華・地の風(5)
不世出の天才軍師・孔明は、すでに四十歳を越えながら、その美貌にかげりさえ見えず…。今、漢丞相となった彼は、主力軍をひきいて南中の地に出兵し捕われの身となるが…。
人喰い人喰い
組合闘争にゆれる本多銃砲火薬店。その工場に勤める花城由記子が、遺書をのこして失踪した。社長の1人息子・本多昭一と心中するというのだ。しかし、昭一の遺体が発見されてからも、その行方は杳として知れなかった-。ついに殺人犯人として指名手配をうける由記子。姿を消した姉を追って、花城佐紀子は必死の捜索をつづけるが…。本格、社会派、サスペンスの見事な融合。ロマンにあふれた作風で、笹沢ミステリの原点をなし、第14回日本推理作家協会賞を受けた傑作長編。
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