1993年6月30日発売
愛と死の踊り愛と死の踊り
1944年6月5日、史上最大の作戦が始まるその前日、ベルリンの戦火を逃れてクリスチーナはボヘミア・モラビア保護領にあるドイツ軍の基地へ戻ってきた。翌日、基地の司令官である父親は、娘の誕生日のためにバレエの先生を求める。ゲットーから連れてこられたアンナ・バロンタイはハンガリー王立バレエのプリマバレリーナだった。祖国の崩壊を感じながらも頑強にそれを受け受れようとしないクリスチーナと、親衛隊員ワイズミュラーとの絶望的な愛、副官の妻モニカのワイズミュラーに対する爛れた恋、そしてユダヤ娘アンナの性と死…。作者の体験を踏まえた異国の民への愛と死の鎮魂歌。
人中の鬼神◆呂布人中の鬼神◆呂布
後漢末、「魔」が目覚めた。この世のものならぬ魑魅魍魎が人界の動乱を求めて騒ぎだしたのだ。そのころ、北方のはずれに剛勇でならした若者がいた。後に「人中の呂布」として恐れられた武将の若き日の姿である。やがて呂布はその力を足がかりに、少しずつ中央へと近づいていく。しかし、それには常に影がまとわりついていた。彼の行くところ、必ず動乱が起こり、人々に不幸がもたらされるのだ。呂布自身も知らぬことではあったが、それこそ彼を狙う「魔」の導きであった。漢王朝は今、波乱の時代を迎えようとしている。裏切り者の代名詞、黒い英雄呂布を描く、「三国志武将列伝」第二弾、ここに登場。