1993年7月20日発売
能登怪異譚能登怪異譚
市助には8人の子がいた。その子らが夜ごと寝間を抜け出して、朝まで箪笥の上に坐っている。そのうちに市助を除く家族全員が夜な夜な箪笥に上がるようになってー。(「箪笥」)。能登を舞台に玄妙な語り口で綴る9つの不思議な物語。独特の画風で人気の村上豊の挿画27点とともに贈る恐怖と戦慄の半村フォークロア。
じゃじゃ馬ならしに気をつけてじゃじゃ馬ならしに気をつけて
『じゃじゃ馬ならし』は、妻が夫に隷属することを賛美した、男性上位主義者のための作品よ。-シェークスピアの授業で生徒のひとりから出された意見を思い出しながら、英語教師のアマンダは女性虐待について書かれた本を手にとった。手頃な値段の古本だから、あの生徒に買ってあげたら喜ぶかもしれない。だが、本をひらいた途端、そんな考えはどこかにふっとんでしまった。ベージの余白に、夫の家庭内暴力に悩む女性の書きこみがあったのだ。夫に殺されるかもしれないと訴える人妻は、いったい誰なのだろう?なんとか探しだして、救いの手をさしのべてあげたい。アマンダは人ちがいをくりかえしながら、ようやく被害者の身元をつきとめた。だが、時すでに遅く、被害者の家を訪ねたアマンダは、そこで死体を発見するはめに…。おっちょこちょいだけど人一倍正義感の強い美人英語教師が素人探偵に挑戦する、好評シリーズ第三弾。
血と影血と影
イタリアの大富豪が建てた浜辺の別荘で、当の富豪を含む四人の男女が惨殺された。別荘には最新の警備システムが張りめぐらされ、敷地内は巨大な密室ともいえる状況だった。刑事警察のゼンは事件の調査を命ぜられるが、やがて彼自身の前に謎の殺人者の影が…。英国ミステリ界の次代を担うと期待される新鋭の英国推理作家協会賞、ヨーロッパ・ミステリ賞受賞作。
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