1994年11月15日発売
カナダを訪れたアンジェリクは、三十年ぶりに長兄ジョスランと再会することができたが、喜びも束の間、ケベック警察の執拗な追及の手が迫り、不安に脅かされる。しかもその背後には、三年前アカディアの森で殺されたはずの魔女モードリブール夫人が今も生きてるという恐ろしい疑惑が…。
清教徒の都市セーラムで、アンジェリクはふた子を出産し、高熱のため死の淵をさまよう。その命を救ったのは、魔女と呼ばれる二人のクエーカー教徒の女たちだったが、この奇蹟に沸く町に突然、黒衣のイエズス会士が姿を現し、アンジェリクへの憎悪もあらわに、恐ろしい事実を告げるのだった。
3432年、銀河中枢リング部に位置する惑星アンコロートにイワン・イワノヴィッチ・ゴラチンが派遣された。謎のスーパー・ミュータント、リバルド・コレッロの陰謀が進行中との報告がもたらされたのだ。敵の動きを探る双頭のミュータントの前に、やがて正体不明の球型船が出現、コンタクトを求めてくる。だが、呼びかけに応じたゴラチンを迎えたのは、敵戦闘部隊の圧倒的な砲火だった。ゴラチンは必死の反撃を試みるが。
広い宇宙に不運な男は数あれど、メイ船長は特別だった。短気な性格が災いしてか、儲け仕事はすべてフイ。相棒の副操縦士にも裏切られ、辺鄙な惑星にとり残される始末。このまま泣き寝入りしてたまるか!とばかりに酒場で出会った若者デュークを副操縦士に雇い入れ、一攫千金狙って再出発したはいいものの、これがさらなるトラブルニつながろうとは…!?ユーモアSF活劇〈エンジェルズ・ラック〉三部作、堂々の開幕。
探偵稼業を選んだからには、気負わず事件にあたるのが解決への早道だ。それにしても、新年早々、どうしてラマに咬まれなきゃならないんだ。盗まれた羊を探すためだけに、動物園へ来たというのに。犯人は動物園に隣接する森に羊を隠したのか。わたしは森の奥へ踏みこむが、そこには予想もしない麻薬事件が待ち受けていた!ウェスト・コーストの風にジョークを乗せ、自然体で生きる私立探偵ヴィクター・ダニエル初登場。
四国の寺に生まれた光真は、既に三歳にして死を事実として認識していた。また育った時代も特異なものだった。就学前は戦前、小・中学校は戦中、高校・大学は戦後と大波に翻弄され通す。そしてその度に常識が価値観がクルクル入れ替る。そんな中で恋を求め主義を求め生きる光真の姿を詩情高く謳いあげた注目の問題作。
スイスから原爆情報をもって帰国した品川大尉は、横空勤務となる。捕虜の過去をもつ品川を、普通の部隊には配置できない。品川はここで、新鋭機のテストの合間に、対B-29戦闘の研究に励む。横空に次々に送り込まれる試作機は、いずれも画期的な翼たちだ。烈風、陣風、景雲、そして秋水と橘花-。サイパン奪取に失敗した米軍は、機動部隊で帝都・東京を襲う。これを迎え撃つ横空、厚木空の戦闘機は、多数の試作機で反撃する。