1994年11月20日発売
近頃、体の調子はいかがですか。京都で、マルセイユで、台北で…。疲れた女性たちに導かれて、世界各地で“癒し”のパワーを発揮する気功師雷蔵クン。彼の正体は。不思義なパワーの源は。芥川/三島賞作家が贈る、日本初のヒーリング小説、ついに登場。
暇と熟れきった肉体を持て余す、弓恵。夫は海外に単身赴任中。彼女の密かな楽しみは、出張ホストを呼ぶことだった…。女子大生の沙貴の元に、ある日ダンボール箱が送られてきた。送り主は不明、開けてみるとバイブレータとビデオがぎっしり詰まっていた…。29歳の梨絵は上司と二人きりでサイパンに不倫旅行に来ていた。マンネリ化した二人のセックスのカンフル剤として、若い娘を引っ掛けて3Pをしようとする魂胆であった…。友季子と夫とは冷えきった仲だった。学生時代の同窓会の帰り、ふらりとホテルのバーに立ち寄った。そこで初めて売春をしてみたが…。欲望に疼く女達が、次々貶められてゆく。
戦国乱世の炎激しく、留まることなく燃えるその渦の中に生きる男たち…時流に乗り多くを得る者、時勢に立ち向かい翻弄される者…その陰で、愛する人を思いすべてを捧げて生きようとする女たち…。哀しくも雄々しい戦国士魂を、雄渾の筆致で描き射る傑作群。
年二回開催されるマンガファンの祭典・コミックマーケット。数十万の人出で賑わうその会場でサークル「大きなお茶屋さん」のメンバーが次々と殺された。推理小説のファンクラブ「大きなお茶屋さん」では、美少女戦士が活躍するSFミステリ「ルナティック・ドリーム」の完結を前にして、各人が予想した結末をまとめた同人誌「月に願いを」を発行していたが、殺人鬼“影”は、大胆にも、その中に殺人予告状を挿入していたのである。その正体は何者なのか、動機は。狂気にいろどられた惨劇は、やがて意外な展開をみせはじめるが…。すべての謎をとくカギは、「月に願いを」に収められた7つの短篇ミステリに隠されている。同人誌をまるごと一冊挿入するという異色の構成で読者に挑戦する、新鋭の書下し「超」本格ミステリ。