1994年4月25日発売
国際企業「浅田電気」で生じた「日本式経営」の軋み。それは、将来を嘱望される二人の管理職の相次ぐ変死が発端だった。急遽、筆頭専務に抜擢された吉本は、二人の死に会社上層部の異変を感じるが、今度は副社長の橋爪が…。会社の危機に直面し、「人事の神様」の異名をとる創業社長浅田が、断腸の思いで決断した「最終人事」とは?企業中枢部に働く人事の力学を通してカイシャを問う。
ドラッグが蔓延し犯罪が横行するマンハッタンのロワー・イーストサイド。警官を含む6人を射殺したのはほんの数グラムのドラッグのためにも平気で人を殺す男リーヴァンダー・グリーンウッドだった。七分署の古株ムードロー刑事は新米のジム・ティリーを相棒に犯人を追う。狂気の殺人鬼にあくまで人間的なムードローは対抗できるのか?爛熟した都市を舞台に描く迫力のサスペンス。
ディレクター、俳優、脚本家など、テレビの魔力にとりつかれ、がむしゃらに走ってきた男たち。人生半ばにさしかかったとき、彼らがのぞんだものは…。テレビ業界に渦巻く人間群像を描いた人気脚本家初の小説集。
空母インデペンデンスを撃沈させられたアメリカは、日本に対する報復攻撃を開始した。ステルス爆撃機によるピンポイント攻撃は、日本の入間基地に向けられた。航空自衛軍の最新鋭戦闘機「ラン」のパイロット藤原は、間一髪で入間基地を飛び立ち、巡航ミサイルで滑走路を攻撃したステルス爆撃機を追う。ランのアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーは、一度に複数の目標に攻撃を仕掛ける事ができる。「さぁ、入間の滑走路を潰したツケを払ってもらうぞ」操縦桿の上端にある発射ボタンに、親指を伸ばして載せた-。
十年前に当主が失踪したストリーチ邸で正体不明の惨死体が発見される。はたして彼は誰なのか?そして、村人から“三人の魔女”と呼ばれる現在の当主たち…。設定は読者を欺くほど伝統的だが、展開する物語の行方は誰にも予測がつかないミステリの新女王、衝撃のデビュー作。CWA最優秀新人賞受賞作。
定年退職した元刑事の武井京人は、別にペンネームを持つほどその地方では知られたコラムニストであることから、刑務所内の文芸誌の選者をしている。彼が入選を決めた読書感想文の主の希望で会ってみると、数年前に他県から逃げこみ、逮捕し護送役も務めた殺人犯・安永哲夫であった。奇遇に驚く武井に、懲役15年の長期囚の安永は、妹朝子の消息を調べてほしいという。やっと探しあてた武井が朝子の住まいを訪ねると…。
墜落していく戦闘機から外に放り出された瞬間、クレイ・マクリーンは不思議な声を聞いた気がした。「もうしばらく生きるがよい」奇跡的に助かったその運命的な日から、彼の人生とツキは一変する。しかし同時に、その彼に拘わる者が、次々と奇妙な事故に巻き込まれ、死に始めた。それも皆、彼のほんの1メートル先で…。これは単なる偶然なのか…次第に恐怖に陥るクレイ。彼を待ち受ける、恐るべき運命とは…。一度読み始めたら、一気に引き込まれ、意外な結末まで目が難せない。短篇ミステリー『幻の四十八時間』を収録。