1995年10月7日発売
黄金蝶の灰皿黄金蝶の灰皿
夢をなくしたとき、ふとあなたが足を踏み入れる奇妙な四つの世界。蝶のすかしを入れただけの安価な業務用灰皿が、店先から次々と盗まれていく。灰皿をデザインした夢坂雅人は、犯行予告があった喫茶店で息を凝らして犯人を待つが…。新鋭、初の作品集。
ダーク・ハーフ 上ダーク・ハーフ 上
売れない純文学作家サド・ボーモントには、世間に知られていないもう一つの顔があった。血なまぐさい犯罪小説を書く、ジョージ・スタークなるベストセラー作家の顔が。本来の自分の仕事に専念したくなったサドはある日、すべてを公表し、ペンネームを葬り去ることにする。それがどんな悪夢の幕開けになるかも知らずに…。
ダーク・ハーフ 下ダーク・ハーフ 下
凄惨な殺人現場に残されていたのは、そこにいるはずのない自分の指紋と血で書かれたメッセージ。容疑がかかるサドに“影の半身”の復讐の手が徐々にしのび寄る。対決の日、何か強烈な力に呼び起されたかのように、おびただしいスズメの群れが辺り一面を覆いつくした。作家と抹殺されまいとするペンネームの壮絶な戦い。
恋忘れ草恋忘れ草
新進気鋭の女流絵師・歌川芳花ことおいちは、出世作『竹林七美人図』で彫師をつとめた才次郎と恋におちる。一途に才次郎を求めるおいちだが、才次郎には女房と子供が待つ家があった…。表題作ほか、江戸の町で恋と仕事に生きた“キャリアウーマン”たちの哀歓を描いて直木賞に輝いた珠玉の連作集。
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