傑出した新鋭の見事な名品。女剣士りや女の仇討ち。明快な筆致、豊かな人間性。いま最も注目される宮本昌孝の限りない力量を示す痛快時代小説。
南北朝動乱を勝ち抜いた「ばさら大名」佐々木道誉。足利尊氏の天下獲りを支えた稀代の策士の選択と決断。
父明智光秀の裏切り、キリスト教という西欧との邂逅。細川忠興の妻お玉の数奇な生涯を描いた表題作のほか「青苔記」など6短篇を収載。
スペイン語圏で多くの読者をもつデリーベスの最新作。独裁者フランコの死を前に騒然とした空気に包まれたカスティリャの小都市で、つつましい生活を送る画家が、亡き妻の思い出を娘に語りかける悲哀に満ちた物語。