1995年8月1日発売
『お熱いのがお好き』『七年目の浮気』などお馴染の映画からマリリン・モンローがとびだし、影武者リンとコンビを組んで大活躍。あのマリリンが歌って、踊って、推理する小説ワンマンショー。
ある日、猫が人間の言葉を話すのを聞いた。その声に導かれるままに川上の村を訪れた「私」は、自分がそこで「猫のジャンナ」として生涯を終える運命にあることを知る…。日常のなかに潜む「異界」から帰還した男の物語。
「どこまでも殺されていく僕がいる。いつまでも殺されていく僕がいる」七度も殺され、今まさに八度めに殺されようとしているという謎の手記。そして高校教師・横田勝彦のもとには、ある男子生徒から「僕は殺されようとしています。助けて下さい」という必死のメッセージが届く。生徒たちの協力を得て、殺人の阻止と謎の解明に挑む横田。周致な伏線と驚愕の展開に彩られた本格推理長編。
ヒューストン警察のヘイドン刑事はリーナを行方を追っていた。両親の反対を押して、以前平和部隊員として赴任したグアテマラに戻った彼女は、そこで大きな犯罪組織に巻き込まれたらしい。両親に雇われて現地入りした私立探偵も、姿を消した。嘘と裏切りが横行する国で、リーナに何が起きたのか。必死に真実の断片を繋ぎ合わせるヘイドンの前に、リーナの意外な素顔が浮かび上がる。
作戦名「軍閥」(ウォーロード)。その目的は、イスラム人民軍との死闘の末に囚われの身となり、イランに残された第45航空団の捕虜約300名の救出だった。作戦を実行するアルファ任務部隊の指揮官はルパート・スタンセル中佐。自身の能力にいささか懐疑的な彼だが、その下にはあの頼もしい強者たちが帰ってきた。ジャック・ロック、“サンダー”・ブライアントらは荒鷲と化し、中東の空に雄々しく舞う。
みずからのエクスタシー=神秘体験を言語化し、バッハやモーツァルトの経験を絶対的融合の宇宙として語りつつ、バロックの文体=超越の言語を創出するにいたる、初期シオランの思想的営為の全容を示すアフォリズム群。
1961年10月17日、パリでは大規模なアルジェリア人デモが繰り広げられていた。高校教師のロジェ・ティロは、身重の妻が待つわが家まであと一歩のところで、デモに遭遇する。歩道にたたずみ、機動隊とデモ隊が烈しくぶつかりあう光景を茫然と見つめる彼の背後に一人の男が近づく。機動隊の制服を着たその男は、ロジェの頭を押え込むと、右のこめかみにブローニング自動拳銃の銃口をあて引き金を引いた。20年後、ロジェ・ティロの息子ベルナールが恋人とともにフランス西南部の町トゥールーズを訪れ、公文書館を出た直後、何者かに射殺される。父と子の不可解な死を結ぶ手がかりは何か。事件の捜査に着手した辣腕の刑事カダンは、フランス現代史の闇に葬られていたある驚くべき事実に直面する…。
リュシアンはいつも独りぼっちだった。あるとき同級生から「人殺しの子」と罵られた彼は、その夜、寄宿舎から姿を消し、付近の沈澱池に死体となって浮かんでいるところを発見された。池のほとりの地面にリュシアンはこう書き残していた。-僕の父は人殺しではない。第2次大戦中のレジスタンス運動について調べるマルクは、かつてのレジスタンスの英雄ジャン・リクアールのもとを訪れる。彼は、戦後、対独協力者を処刑したかどで殺人の罪に問われ、投獄された過去を持っていた。人に命じられるがままに活動の深みにはまってゆき、苛酷な運命にとらわれたジャン。マルクはその背後に隠されたある人物の驚くべき裏切りが、リュシアンの悲劇にまでつながっていたことを知る。
パリ効外の団地で、結婚式をあげたばかりの花嫁が射殺される。純白のウエディングトレスの胸を真っ赤に染めた花嫁が握りしめていたのは一枚の紙切れ。そこにはこう書かれてあった。「ネエちゃん、おまえの命はもらったぜ」。シャポー刑事はその下に記された署名を見て愕然とする。ビリー・ズ・キック。それは彼が娘のために作った「おはなし」の主人公ではないか。続けてまた一人、女性が殺される。そして死体のそばにはビリー・ズ・キックの文字が…。スーパー刑事を夢見るシャポー、売春をするその妻、覗き魔の少女、精神分裂病の元教師。息のつまるような団地生活を呪う住人たちは、動機なき連続殺人に興奮するが、やがて事件は驚くべき展開を見せはじめ、衝撃的な結末へ向かって突き進んでゆく。
家出して押しかけてきた不良少女コスギの面倒を見るうちに、大上円は彼女の健気さにうたれ、強い憐憫を覚えていく。けれど憐憫とは愛情と勘違いしやすいものなのであって…おまけに、るり子サンの部屋を訪れた円くんは、あまりに官能的な事態に出会ってしまうのだった。「あたし、挫けないよ。10回でも20回でもやり直すから」ホタルの台詞は強力なフォースを発揮し。ボヘミアン・円くんの放浪はまだまだ続く。