1996年10月25日発売
聖なる春聖なる春
春が来ないのなら、夢でも見るしかない…。クリムトの名画に寄せて描く哀しい恋の伝説。カラー図版多数収録!古し土蔵のなかで、世紀末ウィーンの画家クリムトの贋絵を描いて暮らす「私」を時折訪ねてくる不思議な女キキ。そのキキが描く肖像画には秘密があり、やがてひとつの「事件」が…。やって来ない「春」を待ち続ける登場人物たちの静かで哀しい日々を、クリムトの絵画と懐かしい映画に寄せて綴る、爛熟の香り高い長編。
ホ-ス・ウィスパラ-(上)ホ-ス・ウィスパラ-(上)
90年代最後の、そして最高の、ピュアな恋愛小説!ニューヨークで暮らす弁護士の夫と、雑誌編集長の妻、そして13歳のひとり娘。幸福を絵に描いたような家に、ある日突然、不幸が襲いかかる。郊外の別荘で乗馬に出かけた娘が、大型トレーラーに轢かれる大事故に遭う。娘は片足切断、馬は手のつけられない半狂乱の状態に。妻は、深く傷ついた娘と馬を立ち直らせようと手を尽くすうちに、野生馬や暴れ馬を手なずける特別な能力を持ったカウボーイたち、すなわちホース・ウィスパラーの存在を知る。実在するホース・ウィスパラー、運命の鍵を握る男を求めて、妻は遙かなモンタナの、大自然の中へと旅立った。
光る地獄蝶光る地獄蝶
栗村夏樹は都内の短大生で剣道三段の腕前。ひょんなことから横浜の探偵事務所でアルバイトをするはめになった夏樹は、デパート社長の令嬢・久住あずさの尾行を命じられた。直後、その少女の危機を救った夏樹は、久住家にまつわる不可解な事件の渦の中に巻き込まれ…。あずさの父は五年前に「光る地獄蝶を見た」という奇妙な遺書を残し、自殺を遂げていたのだ。謎を探ろうとする夏樹の前に、新たな連続殺人事件が立ちはだかる。二転三転の末、最後に明らかにされる衝撃的な真相とは?“夏樹”シリーズ第二弾。
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