1996年10月発売
ここは何か変だわー知人に招かれ,黒人専用の高級リゾートを訪れた家政婦のブランチは、到着早早、不穏な空気を感じとった。はたしてその直前、皆に嫌われていた女性が不審な事故死を遂げていた事実が判明する。数日後、今度は滞在客の男性が謎の自殺を…タフな黒人家政婦ブランチが、鋭い観察眼で特権階級の黒人たちの実像を暴きだす。アンソニー賞、アガサ賞、マカヴィティ賞を受賞した『怯える屋敷』に続く第二弾。
落馬事故によって片腕となった元チャンピオン・ジョッキイ、シッド・ハレー。現在は競馬界専門の調査員となっていたが、放牧中の馬の脚を切断するという残忍な犯罪が連続して発生、かわいがっていたポニイを襲われた白血病の少女から、犯人を捜してほしいと依類される。だが、容疑者とした浮かび上がったのは、ハレー自身が犯人とは信じたくない人物だった。エリス・クイント-騎手時代のよきライヴァルで、私生活でもハレーの親友だった男。引退後は、テレビ・タレントとして国民的な人気を博し、誰からも愛される好男子だった。もちろんクイントは犯行を否定し、世間も彼が犯人とは信じなかった。かえって、恵まれているクイントを妬むあまり間違った告発をしたと、ハレーはマスコミからごうごうたる非難を浴びる。ところが、この執拗なマスコミの攻撃には、じつは裏があることが次第にあきらかになってくる…。『大穴』『利腕』につづき、不屈のヒーロー、シッド・ハレーが三度目の登場を飾る、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
パチンコのプリペードカード会社の重役が、新宿歌舞伎町のホステス達と訪れたマレーシア、ゲンティンの高級カジノで毒殺され、遺品から見なれぬカードが発見された。数日後新宿に根城をもつ暴力団組長が殺され、同様のカードが見つかった。通称レッドカードといわれるパチンコホール業者用に出まわっている変造カードだった。俗に三十兆円産業といわれ隆盛の一途をたどる業界の闇の部分を垣間見た三田一星は、昔気質のトップ屋橋本とともに巨大利権巣窟に挑むが…。業界を知り尽した著者が抉り出す、迫真のミステリー。
夫は仕事ひと筋のビジネスマンで、いつも出張しがち。息子は高校卒業という巣立ちのときを控え、さびしい日々を送る主婦キャサリン。ある日、退屈しのぎにパソコン通信の交流の場に参加するが、交際を求める異性からの電子メールが洪水のようになだれ込む。虚々実々のメールに戸惑う彼女。やがて一人の男性に魅了され、官能の世界に入り込むが…。