1996年11月発売
奇妙な酒を飲んで意識を失ったアンダーソンは、気がつくと何者かに湖で殺されそうになっていた。彼は危うく難を逃れるが、ふたたび恐怖に襲われる。テレビで自分が殺されたというニュースが報じられていたのだ。いったい何が起きているのか?別人になりすまし調査を進める彼を、やがて正体不明の男が襲撃してきた!新鋭が放つ謎と戦慄のサスペンス小説。
クープはシェヴィに乗って、夜の街を狩りに出ていた。彼は夜盗にして殺人者だった。本屋やギャラリーで、内気で孤独そうな女性を見かけると声をかけた。読書会に来ていたハリエット・ウォナメイカーもそんな女性のひとりで、クープの誘いにのった。女はナイフで腹を切り裂かれ、見るも無残な死体となってごみ収容器に捨てられた。深夜、クープはセーラ・ジャンセンの部屋に忍び込み、宝石を盗んだ。そのときベッドルームで眠る彼女のあられもない姿を覗き見て、火のような恋心を抱いた。彼女は証券業界で働く三十代の魅力的な独身女性で、クープはかつてないほどの性的興奮を感じた。その想いが他の女性への殺人衝働となって彼を駆り立てていった…。
もし、あなたがコンピュータとモデムを持っているとしたら、あなたはすでに、殺人者を自宅に招いてしまっているのかもしれない…。ヴァーバ-コンピュータとモデムを持つものであれば、誰もが接続し参加することのできる、ヴァーチャルな電子会議室。だが、ひとりの殺人者がそこに侵入して、殺しの獲物をさがしているとは、誰も気づきようがなかった。警告・あなたの生命は危険にさらされている。これを読みながらも、あなたは殺人者の手の届くところにいる-そんな殺人メッセージを電子掲示板で見たとき、ほとんどの人はただの悪質ないたずらだと思った。やがて、ヴァーバの利用者たちが次々と異常な方法で殺害されはじめるが、非力な警察は何の手がかりも見つけることができない…。コンピュータ・ネットワーク上を徘徊する、顔のない殺人者の恐怖をあますところなく描き、全米を震撼させたサスペンス話題作。
スコットランドの片田舎でテクノロジーを拒否して、信仰を守りながら暮らす人びとがいた。彼らはラスケンタイアリアンと呼ばれた。癒しの超能力を持つ19歳の少女アイシスはこの教団の次期指導者である。4年ごとの「愛の祝典」が間近にせまったある日、従姉のモーラグから手紙がきた。改宗して教団を離れるという。モーラグを翻意させるため、教団はアイシスをロンドンに派遣することにしたが…テクノロジーの産物である自動車を使うことを禁じられているアイシスは、タイヤチューブの筏に乗って旅に出ることになった。教祖である祖父サルヴァドルの秘密、モーラグの真の生活の秘密、教団創設の秘密、消えた大叔母の秘密、アイシスの超能力の秘密。さまざまな秘密がやがて真実の姿を現わしてくる。
ホームレスの「ヤス」が何者かに鈍器で後頭部を一撃されて殺された、との報らせを受けた警視庁捜査一課の美人刑事・今野真弓は驚愕した。「ヤス」こと野口靖夫は真弓の大学時代の先輩で、その変わり果てた彼と偶然再会したばかりであった。野口はS工機を経営する大金持ちの川田家に婿入りし、将来を約束されたも同然であったが、なぜか一年前に失踪して行方がわからなくなっていた。早速、真弓は夫で泥棒の淳一と共に捜査を開始するが、ホームレスとなって潜入捜査をしていたはずの部下の道田刑事に危険が迫り…。
マグニチュード8.6の大地震により、東京は壊滅状態となった。国家機能の中枢は寸断され、秒刻みで死者が増えて行く。掠奪、暴動、疫病…。廃墟と化した首都に明日はないのか。惨状を見守る諸外国の対応は?『ザ・ハウス・オブ・ノムラ』で話題をさらったアレツハウザーが、精緻な取材とデータを基に日本の危機管理能力を鋭く抉る衝撃のパニック・シミュレーション。
老泥棒ルーサー・ホイットニーは誇り高き男だ。ある夜忍び込んだ億万長者の豪邸で、彼は金庫室にひそみ、富豪の若き妻と合衆国大統領の密会を目撃する。お定まりの情事はやがて恐ろしい暴力へと変わる。抵抗した女は大統領の護衛によって射殺され、現場は偽装される-。今や真実を知る唯一の人間となったルーサー。権力者の傲慢と腐敗に怒り、姿を現す決心をするが、彼には愛してやまない一人娘がいた-。衝撃の新人が放つ全米ベストセラーの傑作サスペンス。