1997年12月15日発売
春団治刑事長こと岩切鍛治は、組織や規律だけを重んじる警察の体質に刃向かう大阪府警の一匹狼だ。彼を慕う若手刑事が市内で屋台を撤去しようとして暴力警官として告発された。その直後、告発した男が不可解な死を遂げる。事件にきな臭さを感じた岩切は単独捜査を開始!「刑事長」シリーズ興奮の第三弾。
「プノンペンである男を捜して、この金を渡してくれ」流れ者が集まる白人バーで依頼人は囁いた。私立探偵カルヴィノはNY育ちの元弁護士。バンコク在住九年。タイ警察のプラット中佐が唯一の親友だ。二人はUNTAC統治下のカンボジアへ飛んだ。はびこる汚職、強盗、密輸、そして売春。哀愁の熱帯ハードボイルド。
山深い別荘でのクリスマス・パーティに向かった敦子と喬二。夜になって到着したその別荘はまっ暗で、荒らされた室内には友人の血まみれの死体が…。雪に閉ざされ孤立した別荘地でイヴの夜に起こった恐ろしき惨劇。凶悪で強靱な殺人鬼から果たして逃れることはできるのか!?恐怖と緊迫の傑作長篇サスペンス。
世界から要人が集まる英仏海峡トンネル開業式典を目前に控え、三人の男が行動を開始した。非情なテロリストとスコットランド・ヤードの警視、そして米国家安全保障局職員。邪悪と正義は交わることなく破局の時が近づく…。米、英、独、仏、そしてスイスを舞台に、男たちの息づまる対決を描く傑作サスペンス。
六つの箱に分けられた男。七つの首が順繰りにすげ替えられた連続殺人。エレベーターで16秒間に解体されたOL。34個に切り刻まれた主婦。トリックのかぎりを尽くした九つのバラバラ殺人事件にニューヒーロー・匠千暁が挑む傑作短編集。新本格推理に大きな衝撃を与えた西沢ミステリー、待望の文庫化第一弾。
直木賞受賞、睡眠薬中毒、そして離婚。編集者を経て作家となった著者ならではのハードボイルド・グラフィティ。吉行淳之介、野坂昭如、長部日出雄、星新一、佐野洋、小松左京、司馬遼太郎らも登場。ミステリー界の裏面史を実名、秘話、とっておきエピソードで描いたファン必読、疾風怒涛のミステリー開拓時代。
闇を裂く一発の銃弾が、眠っていた記者魂に火をつけた!エイズ患者を扱ったドキュメンタリーでピューリツァー賞を受賞したものの、記事が捏造であることが発覚し、職を追われた新聞記者のジャスティス。今は安アパートで失意の日々を送る彼のもとに、かつての上司が現われ、資産家の息子が射殺された事件の取材に力を貸してくれという。失ってしまった何かを取り戻そうとするかのように、ジャスティスは事件にのめり込んでいくが…。さまざまな哀しみを背負った人間たちが交差するハリウッドのアンダーワールドを舞台に描く、新シリーズ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀処女長篇賞受賞作。
『マルコ・ポーロ』で頻発した怪事は、惑星ファースト・ラヴの謎の“老人”が仕掛けた“資格テスト”だった。その老人はどうやら失われたガンヤス族に深く関わる者らしい。惑星に着陸したオヴァロンとローダンに、“老人”は最終テストを課すと言う。いよいよ過去の秘密が明かされるのかーテラナーらは固唾をのんで経過を見守るが、一方そのころ、タケル人の本拠惑星タケラから1万隻の大艦隊が密かに出撃していた…。
クリスマスに死体につまずくなんて!夫を亡くし、イギリスに移住した老婦人のドロシーは、大聖堂で参事会員ビリングズの死体を発見した。現場の状況から、警察は殺人と断定して捜査を始める。被害者は傲慢な性格で敵も多く、死ぬ直前も彼女の知り合いの学生と口論していた。やがてその学生に疑いがかかるが、彼の心優しい面を知っているドロシーは無実を信じて真相を探る…アガサ賞に輝いた、心温まる謎解きミステリ。
一年半前、ペンバートン大学の裕福な白人女子学生が殺害された事件で、凶暴な黒人少年エリスに容疑が掛けられた。州警察のミラー刑事が事件を担当し、当時次席検事だったリタ・フィオーレが新米弁護士マーシイ・ヴァンスに充分な弁護をさせず、エリスを有罪にした。そしていま、大手弁護士事務所に転職したリタが、スペンサーの事務所を訪れ、事件を調べ直してくれという。エリスの弁護人だったマーシイがいまもなお彼の無実を主張しているらしい。再調査のため現地へ赴いたスペンサーは、被害者の両親からも大学の関係者からも、もう解決した事件だからと冷たい対応を受ける。しかし調べていくうちに、被害者のボーイフレンドだった男がタフト大学テニス部主将で、両親が大金持ち、しかも初めは被害者のことを知らぬ振りをしたことから、スペンサーは疑念を抱きはじめる。どうもこの事件には複雑な背景があるようだ。一方、スペンサーは事件から手を引くよう再三脅迫を受ける。いったい誰の差し金か?そして、愛するスーザンにも自分にも警護をつけ、用心していたにもかかわらず、スペンサーはジョギング中に何者かの射撃を受け、瀕死の重傷を負ってしまう。
イェール大学を卒業したばかりのベンは、合衆国最高裁判所の正面に立ち、大きく息を吸った。今日からここで、最高裁裁判官付きの調査官として、新たな人生の一歩を踏み出すことになるのだ。調査官の職務は、激務につぐ激務と考えて間違いなかった。莫大な量の判例を調べ上げ、裁判官が提出する意見書の草稿を執筆しなければならない。だが、不眠不休で仕事をこなす見返りは大きい。最高裁調査官になれる者はエリート中のエリートだけであり、任期を終えれば、輝かしい未来が開けるのだ。しかし世間知らずのベンは、ふとしたことから詐欺師に騙され、極秘情報を漏らしてしまう。詐欺師はその情報を利用し、巨万の富を手に入れることに成功。もしその件が発覚すれば、ベンの人生は破滅だ。詐欺師はそれをいいことに、さらなる情報を要求してくる。ベンは同僚のリサと三人の親友の力を借り、正体不明の詐欺師に反撃を試みるが-?弱冠26歳の大型新人が、溢れる才気と無条件の面白さで全米を熱狂させた、新世代リーガル・サスペンス。
「きみが鍵なのだ、デッカード」ブリーフケースのなかから声が囁いた。きみがレプリカント反乱成功の鍵を握っているのだと…21世紀、地球を巡る巨大な軌道スタジオ、アウター・ハリウッド。忠実に再現されたLAのセットのなか、デッカードは自分の伝記映画の撮影に雇われていた。かつてブレードランナーとして逃亡レプリカントと演じた数々の死闘は、いまや都市伝説と化していたのだ。が、撮影現場に謎の刺客が放った銃声が鳴り響き、凶弾に倒れたかつての僚友からひとつのブリーフケースを手渡されたとき、デッカードは再び巨大な陰謀の渦中へと巻き込まれていった。時を同じくして、火星移民居留地でデッカードの帰りを待ち続けるサラのもとを、二人組みの謎の密使「親衛隊」が訪れていた。そして、いまだ彼女から造り出されたレプリカント、死せるレイチェルに思いを馳せ続けるデッカードへの愛憎を胸に、サラもまた一路、陰謀渦巻く地球へと向かっていった。
ウラル山中で核弾頭を積んだ列車の衝突事故が起きた。ホワイトハウスは、この事故がテロリストによる核強奪の隠蔽工作であることを突きとめる。核物理学者ジュリア・ケリーは、米国防省特殊情報局のトーマス・デヴォー大佐とともに調査に乗り出す。盗まれた核弾頭の行方を追ううちに、テロリストの恐るべき“使命”が明らかになるー。圧倒的緊迫感でおくるハイテク・サスペンス・アクションの傑作。