1997年4月25日発売
とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった…。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちはー。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。
結婚式を挙げに行く途中のカップルが拾ったヒッチハイカーは、赤い眼に裂けた耳、犬のように尖った歯をしていた…。やがてコネティカット州山中の脇道で繰り広げられる恐怖の連続殺人劇。狂気の殺人鬼の魔手にかかり、次々に血祭りに上げられていく人々-悪夢のような夜に果して終りは来るのか?熱に憑かれたような文体で不可能を可能にした、探偵小説におけるコペルニクス的転回ともいうべきカルト的名作、ついに登場。
高校3年生の早乙女翔は、夏休みに友人達と富士山麓の樹海に遊びに行き、霧にまかれて1人はぐれてしまった。そこに突然、銀色の長い髪の騎士シルバーンが現れた。翔は異次元の世界に迷い込んでしまったのだ。この「霧の王国」では、赤い血を持つ翔は天使と呼ばれ、「天使を得るもの帝王となる」と言い伝えられていた。翔は、この国の王ネベルら男たちの重要な標的になる-。「僕は元の世界に戻れるのだろうか?」それを解くカギは「光の石」を見つけること。翔はシルバーンらとともに、天使の謎を追う旅に出るが…。中世ヨーロッパを思わせる異次元空間で繰り広げられる、冬城蒼生のファンタジック・アドベンチャー。シリーズ第1弾。
「いっ、いやだーっ!!俺はホモもサドも嫌いだーっ!!」新米刑事の黒川睦月は、着任早々、サドの日沖からいじめられ、鑑識課の血フェチな本橋からも可愛がられる。心とはウラハラに慣れてゆく身体に抵抗する睦月。事件捜査中も二人のことが気にかかり、遂には犯人の罠に落ちてしまった。