1997年6月10日発売
秦の始皇帝の父、ともいわれる呂不韋。一商人から宰相にまでのぼりつめた波瀾の生涯。雲がかかる深山、霧にしずんだ幽谷をぬけて、茫漠たる未来へと歩をすすめる少年呂不韋。
大物政治家の裏の顔に迫る反骨の事件記者。アンソニー賞ノミネートの注目の新人デビュー作。ボストンの市議会議員スチュアートが何者かの凶弾に倒れた。ホームレス救済事業への多大な貢献によって、市民の尊敬を一身に集めていた人物をいったい誰が?解決への糸口がつかめぬなか、『ボストン・ポスト』の事件記者フランク・クローニンは、議員が“聖人”の仮面の下で、数々の不正に手を染めていた事実を知る。政界や上層部からの圧力にも屈せず、クローニンは真実の報道に異常なまでの執念をみせるが…。やがて事件はさまざまな関係者の思惑をはらみながら衝撃の結末へ。
妻に逃げられ一人息子は非行に、警官あがりの中年弁護士マックは560万ドルの金と共に行方をくらました変りものの僚友バートの捜索を命じられる。自分を敵と狙う警官時代の元相棒ピッグアイの執拗な妨害をかわし、弁護士らしからぬ手口でバートの家に侵入し、冷蔵庫を開けたマックをにらみ返したのは、脚を曲げた死人だった。
さまざまな思惑が蠢く巨大弁護士事務所のなかで、どうやら自分だけが知らないことがあるートゥロー得意の物語展開はいよいよ冴えわたる。行方不明の同僚を探すさえない中年弁護士マックの前に予想もつかなかった意外な事実が次々に展開される。そしてついにすべてのパイを握ったマックに、壮大な人生の決断が待っていた。
婚約者の広樹と共に帰郷した玲は、かつて姉の綾が結婚を目前にして首を吊った蔵で、珍しい蛇の浮き彫りのある鏡を見つける。その日を境に、玲の心の中で何かが変わっていく。そして、様々な人間の思惑が絡み合う中、「みぃさんの祭り」がやってくる…。奈良を舞台に人の心の移ろいを描きだす傑作伝奇長篇小説。