1998年11月20日発売
裕福で無垢な白人娘イザベルとスラム育ちの黒人青年トリスタンは、おたがいを一目見た瞬間、恋に落ちた。だがイザベルの父親が二人の関係を認めるわけがない。追跡と恋の逃避行が始まる…。大都会と原始の姿が混在するブラジルを舞台に「トリスタンとイズー伝説」を現代に強烈に甦らせたピュアでエロティックな恋愛小説。
「すまない。好きな人ができた」夫は突然去って行った。四十代半ばにして独りになったマギー。昔バイトをしていたカナダの小さな町に旅立つ。そこで出会った奇跡-それは初恋の人の息子だった…。
マンションの真下に住む赤い髪の女。銀行員の自分とはまったく別世界の人間だと思っていたのに…。自分なりに普通の人生を歩んでいたはずの人たち、その平凡な日々に潜む闇を描き、日常の断片が少しずつ異常な方向にずれていく恐怖感が濃密に立ちこめる短編群。
私は、何故あの男を殺さねばならなかったのか?そのことをいくら自問してみても何か核心にたどりつかない疲労が私をとらえる。「殺人の原因は自分の中にある」その言葉が、正当という旗をかざしながら、私を追ってくる…私はなんとかしてそこから逃げなければならない。断じて私の中には原因はない。たんに携帯電話の声が大きすぎたから、あの男は殺されたのだ。ここで描かれる殺人事件は、私たちが置かれている現実世界の悪夢そのものだ。
拓哉は小さい頃から年上の綺麗な従兄・和成が大好き。でも和成はコドモだった拓哉をうるさがるばかりで相手にしてくれない。でも和成も、拓哉がどんな時だって和成に一生懸命なのは認めてくれているみたい。じゃあ、オトナになったら本気で恋愛してくれるのかな…?キュートかきおろしを加えて登場、年下攻ラブの決定版。
「-世紀末、なんだそうです」ふわりと、香りの佳い紫煙が立ちのぼる。時は明治三十三年(1900年)。帝都東京を騒がす連続猟奇殺人事件-。その発端を、谷中の廃寺で起きたある出来事と睨んだ天才作家、泉鏡花。新米編集者、香月真澄とともに事件の謎に挑む!大人気シリーズに書き下ろし「水晶の夢」を加えおおくりする幻想怪奇探偵譚。