1999年12月25日発売
海軍省教育局に出世の遅れた大佐がいた。彼の名は、森昌彦。相手が間違っているなら、たとえ上司であろうとひるまず意見する姿勢。みなに煙たがられてきた男に突然、第一航空艦隊参謀長のポストが用意された。山本五十六連合艦隊指令長官より立案を依頼されたハワイ真珠湾攻撃計画。GF航空参謀の源田実中佐が、森の類まれなる頭脳に賭けたためである。猛訓練中の赤城に着任した森は、航空に関しての経験ゼロにもかかわらず、早くも機動部隊の弱点に気づき、一つの結論にたどりついた。母艦部隊を夜間攻撃の専門部隊とすること-。さらに真珠湾の攻撃を奇襲ではなく、強襲にすることを提案した。新参謀長の奇抜な構想は山本らGF上層部に受け入れられるのか?そして、ハワイ作戦の行く方は…。著者、渾身の架空戦記、刊行開始。
“鬼道”という人ならざる法ー外法の存在を知った風祭兄弟は、事の真偽を確かめるために、九桐の元へ向かう。同じ頃、那智静瑠の抹殺に失敗した九桐は、今度は、双子の弟である雫馬を狙う。夕暮れの図書館で雫馬と九桐の死闘が繰り広げられる。卑弥呼が用いた“鬼道”に魅せられた妖艶な那智姉弟と学園を包む陰の存在を知り始めた風祭兄弟。彼らの運命はー。東京魔人学園双龍変シリーズ、巻之六、ついに登場。学園伝奇ジュヴナイル。
母親同士が無二の親友だったアンとブランチは、片時も離れず共に育ち、実の姉妹以上に愛情と信頼を寄せ合っていた。しかしブランチがアーノルドと婚約した日、アンは書置きを残して失踪してしまう。アーノルドの親友であり、名高い運動選手ジェフリーとの秘密結婚が目的だった。ところが事態は思わぬ方向に展開して行く。当時の婚姻法の不備を訴え、スポーツ礼賛の時流を風刺し、サスペンス小説の面白さと風俗小説の楽しさが見事に融合したコリンズ絶頂期の逸品。
出版社に勤める楠本は、取材で訪れた温泉宿で、学生時代つきあっていた男・安芸と偶然再会する。とまどう楠本に対し、湯治の為に来ているという安芸は普通に接してくる。そんな安芸の態度に思い悩む楠本の元に「安芸が倒れた」という知らせがはいる。安芸を無くしてしまうという不安と焦燥に駆られた楠本がとった行動は…。