1999年3月10日発売
覗くひと覗くひと
時計の行商をするために生まれ育った離島にやってきたマチアスは、直前ヴィオレットという若い女性を殺していたー外界とマチアスの意識との有機的な関係を、事物そのものに迫る数学的にまで昇華された文体で描くことによって、青年の荒廃した深層心理をうかび上らせたヌーヴォー・ロマンの傑作。
神の柩神の柩
世紀末日本に彗星のごとく現れた団体「理性の跳躍」。エリート層を中心に七千名の会員を擁し、膨大な資金力を持つ彼らが主張する強者の論理が人々の心をとらえていく。だが、その陰でひっそりと不可解な死を遂げた男がいた-。混迷の現代社会を問う書き下ろし長編サスペンス。
雪螢雪螢
17歳の家出娘を捜して欲しいー更正施設で薬物中毒患者の世話をする佐久間公に、女性実業家からの依頼が舞い込む。住踪人調査を再開した佐久間は、渋谷・六本木・新宿と娘の行方を追う先先でかってのライバル岡江に先を越される。彼女はなぜ追われるのか?大沢ハードボイルドの鮮烈な到達点がここに。
ホワイト・ジャズホワイト・ジャズ
異様きわまる侵入盗ー切り裂かれた衣服、惨殺された番犬。被害者は警察と癒着した大物麻薬密売人。上層部の命で捜査にあたる悪徳警官クラインは、全てを操る巨大な陰謀に翻弄され、破滅してゆく。脈打つ暴力衝動、痙攣し暴走する妄執、絶望の淵で嗚咽する魂ーミステリ史に屹立する20世紀暗黒小説の金字塔。
干刈あがたの世界(6)干刈あがたの世界(6)
十四歳の少年少女たちにとって、学校がとても酷い場所になっているんだよ!全ての女性たちに、社会の矛盾の中でもがき苦しむ子供たちに、彼らとともに変革の時代を生きようと志す男性たちにも…深い絶望を超えた光を投げかけた干刈あがたの小説世界!新たな希望への旅路に、ようこそ。
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