1999年6月20日発売
19世紀末、封建的時代のスウェーデン。貧しさゆえに12歳で農園に奉公に出されたハンナは主人の息子に強姦され、13歳で母親になる。苛烈な差別と過酷な労働にも耐え、息子を明るい子に育てるハンナ。彼女が産んだヨハンナも、奉公先の医師一家に虐待され社会主義に傾倒しながら、豊かになっていく社会と女の地位とのギャップに苦しむ…。-あまりに残酷な運命を生きた、北欧の美しい大地の女たち。母娘の、夫婦の、気高い愛が激動する時代を背景に光を放つ「希望の書」。
全長4000メートルの海峡大橋を支えるコンクリートの巨大な塊“アンカレイジ”。内部に造られた窓ひとつない空間に集まった科学者・建築家・医師の六名。プログラムの異常により海水に囲まれ完全な密室となったこの建物の中で、次々と起こる殺人…。最後に残ったのは、盲目の若き天才科学者とアシスタントの二人だった。犯人は、私?僕?それとも-。
昭和16年3月。萌は故郷・明日萌を遠く離れ、生まれて初めての地に降り立った。そこは大都会・東京-。人の多さと生活リズムの速さに圧倒され、不安になる一方で、東京で母に会えるかもしれないと、淡い期待を抱いていた。そんな萌に襲いかかる災難の数々。あてにしていた働き口がだめになったうえ、すり騒動に巻き込まれ、財布を盗まれてしまったのだ。途方に暮れた萌は、最後に残っていた十銭硬貨を握りしめ、駅近くにあった猫又食堂の暖簾をくぐるのだった。食堂の女将・としは津軽三味線を爪弾く趣味があり、その音色が萌にはなぜか懐かしい。もしや本当の母では…そして、さまざまな出会いを重ねていく中で、萌は結婚相手とめぐり会う。しかし、幸せな生活もつかの間だった。徐々に忍び寄る戦争の影が萌の人生を一転させる。
ヒトラー救出作戦失敗!富嶽隊、壊滅!戦局はついに最終局面に達しようとしていた。米軍は原子爆弾の開発に成功し、テニアン島に実戦配備した。原爆投下阻止のため、日本軍は試作機として残存するたった一機の富嶽で、テニアン島空爆をはかる。護衛機もない富嶽に乗った近藤正己隊長は、はたして日本の“運命の日”を阻止できるのか!シリーズ堂々の完結編。
私立光曜学園高校の二年生・高梨瞭司の恋人は、ちょっとストイックな雰囲気で超カッコいい社会科教師・友利秋洋。でも、どうもこの“教師と生徒”という禁じられた関係が邪魔をして、なんなか先に進めないのだ。なんとか友利とイイ関係になりたい瞭司だけど…。