1999年8月20日発売
地方営業に呼ばれたフォークシンガー、七十四歳の女流詩人と結婚した七十六歳の文学者、新聞の勧誘に北欧までやってきた黒眼鏡のヨレヨレ男、開いてるのか閉まってるのか分からない中華屋の親父…。21篇の短篇小説がおりなす、人生模様カタログ。
戦国の世に豊後領主の子として生まれながら、父や既成の権威に反発していた青年・大友義鎮(宗麟)の心をとらえたのは宣教師ザビエルだった…。九州に覇を唱えた乱世の雄である一方、芸術家肌で、常に進取の精神を失わなかったキリシタン大名・宗麟の多面的な魅力と波瀾の生涯に迫る。
ピスケンが恋をした。お相手は、「血まみれのマリア」こと阿部まりあ。泣く子も黙る救急救命センターの看護婦長で、今まさに息絶えんとする重体患者を救うこと数知れず、の奇跡を呼ぶ女だ。あまりに意外な組み合わせに、驚きのあまり絶句する軍曹とヒデさん。一途で不器用なピスケンは、マリアのもとに通いつめるが…。悪漢小説の金字塔、佳境の第2幕。
「いろんなドラマがあるよ」人事部長を継ぐ田島は前任者からそのファイルを渡されるとき、こう言われた。住宅建材を扱う東亜建材産業株式会社。社史をさかのぼれば、じつにさまざまな事件があった。ファイルは、公式には記されていない事実に満ちていた…。人事マンは、あなたをどう評価しているのか?ユーモア、ミステリー、ホラーに彩られた傑作ビジネス小説。
嘉永六(1853)年六月、ペリー率いるアメリカ艦隊が伊豆下田沖に現れ、日本政府との面談を要求した。老中阿部正弘をはじめとする幕府側は親書を受け取ったが、水戸斉昭ら攘夷派の動きも活発になった。再び来日したペリー軍は上陸を敢行し、日米決戦の戦端が開かれた-。
【第3回鮎川哲也賞受賞作】 短大生の入江駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、ファンレターを書こうと思い立つ。身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、事件の“解決編”ともいうべき返事が舞い込んだ……! こうして始まる駒子と作家のやりとりが鮮やかにミステリを描き出す、清新な連作長編。
「俺だけを愛してくれる恋人が欲しい-」観光客とのゆきずりの恋愛に疲れ、誠実な愛を求めるトレイス。だが酒場で彼の心を奪ったブルーの瞳…ロジャーの正体はギャンブル界のキングだった!愛するには危険すぎる男。でも想いは燃え上がり!?フロリダを舞台に松岡なつきが贈る熱帯夜ロマンス、濃密なひとときをアナタに。