1999年9月10日発売
1931年、豪華客船「女王陛下号」に乗りこんだ詐欺師コンビ、ガイとマックスの目にとまった絶世の美女ダイアナ。父親は有名な投資家、まさに絶好のカモだった。恋する男を装って罠を仕掛けるマックス。だが大いなる誤算、ふたりは本当の恋に落ちてしまう。歴史と人生の変転を見事に描くゴダードの最高作登場。
ダイアナの父、辣腕で鳴らすチャーンウッドは、我々の企みをすべてお見通しだった。破格の手切れ金を提示されたガイは、マックスの許可も得ず頷いてしまう。それが、思いもかけぬ殺人劇の発端になろうとは!やがて、船上の恋の結末は周囲の人々の運命を翻弄してゆく。名匠ゴダードが放つミステリー・ロマン。
握手をするように人を殺す男。一歩踏み出したらもう戻れない。欲望の街・ロサンゼルスを彷徨する探偵・永岡修。地獄を見た親子を追い、人の心の砂漠を目撃する。世紀末を斬るハードボイルド巨編。
加賀前田の支藩、大聖寺七万石に下された非情の幕命。厳冬の北アルプスを越えて高山陣屋と故城の接収に向かった生駒弥八郎以下二十四名の運命は…。表題作ほか、勇将福島正則の一代記「絶塵の将」、お役目も家も捨て狡猾きわまる悪党を追う同心の執念を描く「けだもの」など全五篇を収録した珠玉の短篇集。
アメリカのカルト教団教祖であり、人気ミュージシャンでもあるフィラードが来日した。彼を第三の存在として注目する彬の叔父、学の忠告でフィラードをマークした瀬名らだが、かえって彼に彬と菜津央をさらわれてしまった。瀬名を求めながらフィーラドに凌辱され苦しむ彬の前に、監禁されていたはずの菜津央が現れる。菜津央は彬を裏切り、瀬名を倒すと宣言するのだ。一方、彬たちを救うためフィラードがいるホテルへやって来た瀬名らは、菜津央と対決する。フィラードが知る、瀬名と彬をひきさく真実とは?シリーズますます快調。
田中リツは、昨年のミス松栄高校にノリでなってしまったれっきとした男子高校生だ。そのリツがある日、一年先輩の北岡俊郎に大告白。ノーマルなはずのリツの突飛な行動に周囲はいぶかるばかり。俊郎も地味で凡庸な自分に、なぜリツが興味を持ったのかわからない。だがリツは勢いで俊郎からOKをとりつけてしまった。その勢いは愛の情熱というより決闘の申し込みのようで…。
F1界のトップに君臨するアンジェロ・ダ・シルバの前に、若き天才レーサー、ミヒャエル・シュナイダーが現れた。ベッドで相手を自由にする権利を賭け、挑んできたミヒャエルとの勝負に、アンジェロは負けてしまう。「愛してる」と言われてもアンジェロにはベッドでの行為が屈辱としか思えない。そんな彼の心の壁をミヒャエルは破ろうとする。