2000年11月15日発売
一枚の領収証から始まる迫真の経済ドラマ。総額600兆円を超える長期債務はどうなる?国民にとって重大関心事でありながら、得体の知れない国債をテーマに、卓越した構想力と取材力を駆使して、スリルとサスペンスに富んだ迫真の経済小説。書下ろし傑作長篇。
派閥争いから懲戒解雇の脅しをかけられたエリートサラリーマン課長が、身の潔白を明かすべく壮大な闘いに起ちあがるー表題作をはじめ、サラリーマンの琴線にふれる六編を収録。初めて文庫化された、短編でしか味わえない、原酒の濃密さにあふれる「高杉良の世界」。企業社会の光と影を活写した短編全集全三巻刊行中。
T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?『幻惑の死と使途』と同時期に起った事件を描く。
青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く。そこが僕らの故郷、霞町だ。あのころ僕らは大学受験を控えた高校生で、それでも恋に遊びにと、この町で輝かしい人生を精一杯生きていた。浅田次郎が始めて書いた、著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活。感動の連作短編集。
太宰治心中事件の謎は、死後、半世紀を経たいまも封印されている。「井伏(鱒二)さんは悪人です」が、太宰の自殺にどう関わっているのか。死ぬ直前に溢れ出た想いが遺書に込められたとすれば自殺の動機に含めぬわけにはいかない。太宰治の「遺書」の謎に迫る本格評伝ミステリー。
かつてニューヨークを支配して、大いに権勢をふるい、平和裡に隠退した、マフィアの指導者、ドン・アプライルが、白昼、街中で射殺された!しかも、常に彼を監視下に置いていたはずの警察もFBIも、なぜかこの日に限っては姿を見せていなかった…銃撃事件の背後には、かつてのドンの仇敵の存在があり、さらに強大な敵の影も見え隠れする。大恩あるドンに報いるため、そして愛する家族を守るため、アプライルの甥で、ドン・ゼノの実の息子、アストーレの胸の奥のシシリー魂に火がついた…世界的ベストセラー『ゴッドファーザー』の著者マリオ・プーヅォが、最後に放つ大作。
フリーターのニコラは、ひょんなことから世界的大企業社長フレデリック・ドラモンのパーソナル・テイスターに雇われた。自分の好みを殺して相手の好みを我がものとしたニコラは、食事だけでなく、映画、書物など、あらゆる私的活動に関して味見役を担っていく。だが、次第に過激になっていくフレデリックの要求に応えきれなくなったニコラが彼のもとを去ったとき、恐ろしいことが…。人生の美食を追求する富豪。それを完璧にする試食家。二人がたどる奇妙で危険な関係。サイコティックでセンシュアルなサスペンス。2000年フランスコニャック国際ミステリー映画祭グランプリ/批評家賞受賞作品の原作。
天才数学者ハリ・セルダンは、第一、第二両ファウンデーションの設立に向け、着実に準備を進めていた。若手数学者ガール・ドーニックの帝都トランター来訪をきっかけとして、リンジ・チェン公安委員長によって予定どおり告発され、帝国の滅亡を予言した咎で裁判を待つ身となったのである。すべては心理歴史学の数式の示すとおりに進んでいるかにみえた。だがそのとき、彼の数式では予測できぬ出来事が、トランターで発生していた。それは、ファラド・シンター顧問官によるロボット狩りであった。帝国内で暗躍しているにちがいないロボットたちを捕え一掃することで、シンターは皇帝に取り入り、政敵チェン公安委員長の失脚をもくろんでいたのである。ロボットを見分ける唯一の手段が精神感応能力であると考えたシンターは、強力な精神感応能力を持つ女ヴァラ・リソを使って次々にロボットを抹殺していく。だが実際に殺されていたのは、第二ファウンデーションの要となるはずの精神感応者たちであった…。
早春の軽井沢。広告代理店「日広」のCMプランナー・戸嶋大作は、恋人の霧島純花を乗せ、車を走らせていた。早々と仕事をすませ、濃密なデートを楽しもうという計画だ。大作は、別荘の玄関に男の顔が浮かび上がっている心霊写真を純花に見せた。TVの怪奇現象特集でこの写真を紹介したら、女の声で怪電話が入り、写真の男は行方不明中の大作の知人だという。問題の別荘に立ち寄った二人だが…。書下し。
本書は、ルーシー・モード・モンゴメリが著したアン・シリーズ8冊の中から、特に美しい自然描写を抜粋してまとめたものです。アン・シリーズに引用されている他の作家の説明も入れてあります。モンゴメリの豊かな風景描写を、アン・シリーズで登場する月や季節に合わせてまとめました。空白部分は、皆さんが書き込むスペースです。