2000年5月15日発売
店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う「旗師」宇佐見陶子。彼女が同業の橘董堂から仕入れた唐様切子紺碧碗は、贋作だった。プロを騙す「目利き殺し」に陶子も意趣返しの罠を仕掛けようとするが、橘董堂の外商・田倉俊子が殺されて、殺人事件に巻き込まれてしまう。古美術ミステリーの傑作長編。
OL、高校教師、旅館の若女将、先輩…。ある時は風呂場で、ある時は図書館で、またある時は海の中で…。美貌の教師に性のすばらしさを教えられて以来、山神大地は次々と魅力的な女性に出会い、快感の深みにはまっていく。『週刊現代』好評連載中の官能ロマンー圧倒的期待に応えて第2弾登場。文庫オリジナル。
京都、堺町綾小路に名ばかりのお堂と小さな庫裡をかまえる地蔵寺。東山知恩院の末寺で、檀家もないこの寺には、もうひとつの顔があった。怨みを抱く相手の足を引っぱり、ひそかに誅伐を加えてくれる“足引き寺”-。闇の仕事師は住職の宗徳、町絵師のお琳、羅宇屋の与惣次、西町奉行所に出仕する蓮根左仲、そして紀州犬の豪。今日も地蔵寺の賽銭箱に、願文と銭が投げ入れられる…。傑作時代連作。
落人となった一行。山中の逃避行で生き残った足軽・三郎太と主君の娘・小夜姫。熱夏の下、激しく求め合う二人。しかし、姫は捕らわれ、高木勝政の側室に。三郎太は工藤泰兼と名乗り、二十五年を経て戦国の覇者となり、高木を攻め落とした。小夜姫を求める泰兼に対し、彼女は「わらわが欲しくば盲いて見せよ」と冷然と言い放った…(表題作)。他二篇所収の、麗質の時代作家・諸田玲子傑作集。
2020年ー人類はついに史上初の有人飛行を実現した。だが、火星探査中にマーズ1号の4人の宇宙飛行士たちは突然NASAとの連絡を絶つ。その後、ミッション・コマンダーのルークから謎に満ちたメッセージが発信される。ルーク救出のため、親友のウッディ、ジム、ウッディの妻テリー、フィルの4人は6カ月におよぶ危険なミッションに挑む。しかし火星で待ち受けていたのは、想像を絶する真実だった…。