2001年2月15日発売
仲蔵狂乱仲蔵狂乱
「存分に舞い狂うてみせてやる…」江戸は安永ー天明期、下積みの苦労を重ね、実力で歌舞伎界の頂点へ駆けのぼった中村仲蔵。浪人の子としかわからぬ身で、梨園に引きとられ、芸や恋に悩み、舞いの美を究めていく。不世出の名優が辿る波乱の生涯を、熱い共感の筆致で描く。第八回時代小説大賞受賞作。
練塀小路の悪党ども練塀小路の悪党ども
相手が大名だろうが、何だろうが恐いものなし。ご存知、数寄屋坊主の河内山宗俊。練塀小路にある宗俊の屋敷には、彼を慕う悪党どもが、日毎、ゆすりたかりのネタを持ち込んでいた。大仕掛けの絵図を描き、真の悪人の弱みを握り懲らしめる宗俊。そんな男気あふれる彼の裏をかく、凄腕の奴も現れて…。色と欲に彩られた男女の、二転三転の成り行き。江戸情緒のなかに悪の美学が冴える。連作ピカレスク・ロマン。
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