2002年11月1日発売
コスメティック(小学館文庫)コスメティック(小学館文庫)
「私はもう一回這い上がることができるんだろうか」バブル後のキャリア女性を取り巻く現実に直面し、打ちひしがれる主人公沙美だが、それでもあきらめられない。「仕事でも恋でも百パーセント幸福になってみせる」そこから30代キャリアとしての沙美の“闘い”が始まった。化粧品業界を舞台に繰り広げられる“女たちの闘い”は圧倒的なリアリティを持って描かれ、単行本発刊時には「これは暴露小説では?」と美容業界を騒然とさせた。キャリア女性たちの恋と仕事、夢と本音と現実を浮き彫りにしたベストセラー小説、待望の文庫化です。
高らかな挽歌高らかな挽歌
日本の高度成長が始まる1960年代末。大手映画会社の企画部長、香貫晨一朗は、三億円強奪事件を題材にした映画の製作を任される。社運を賭けた作品は果たして成功するか?仕事に情熱を傾けつつも、会社という組織に生きた男の夢と挫折。映画産業が衰退していく時代背景のなかで、業界に生きる人間たちの野心やざわめきを描き、戦後日本史の一側面を生き生きと捉えた、著者会心の大作。
34丁目の奇跡34丁目の奇跡
ニューヨークシティー、マンハッタン34丁目にあるメイシー百貨店。おもちゃ売り場のサンタクロースとして、一人の老人が雇われた。彼の名はクリス・クリングル。その風貌はサンタそっくりだった。
したたかに純粋したたかに純粋
過去をネタに、傲慢な上司に陵辱される日々。しかし尋秋は、偶然出会ったときから、自分に対して情熱的な態度を見せる棚橋を使い、その屈辱をはらそうとしていた。利用しやすそうな相手-繊細な美貌の裏で、棚橋の誘いを打算的に受ける尋秋だったが…。「あいつからきみを奪いたい」耳元で囁かれる言葉に、溺れそうになる。復讐のためにはこの機会を逃せないと思う反面、欲望に身も心も攫われてしまいそうだった。そして偽りの恋のはずが、いつしかひたむきな熱を持ち始め。
PREV1NEXT