小説むすび | 2002年11月20日発売

聖と俗の極限をめざす狂気のセックス・グルシヴァ・カルパ。巨大新興教団に翻弄される日本人青年ジローがヒマラヤの聖者の生と死のドラマの果てに見たものは何か。

大西洋の波が岸辺を洗うカンバーランド島の国定海岸公園。絶滅危惧種アカウミガメの産卵期に、大麻栽培防止の監視用軽飛行機が墜落。パイロットが死亡。ところが操縦席からもう一つ死体が発見された。しかも彼は搭乗予定の人間ではなかった！手つかずの自然を残す島で、それを隠れ蓑にした犯罪のにおいをかぎつけたアンナ。一方、彼女の恋人のＦＢＩ捜査官フレデリックは、アンナの姉を脅迫する謎の犯人を追うべくニューヨークへ向かったが…。サラ・パレツキー絶賛のアウトドア・ミステリ・シリーズ第四弾。

“考えること”をやめていた俺にもたらされた女の啓示「赤い大きなアメリカ女」。シングルに舞い戻った三十男が溺れる冷え切った女の底知れぬ魔性「月光」。女を骨抜きにするホストが落ちた“心が読める”南の島の恋「人殺しパラダイス」…。“心の闇”という名の秘境を探訪する全五篇。

汗、恋、喧嘩、ツユだく大盛りの青春成長小説登場。第８回小説新潮長篇新人賞受賞作。

第一印象は抜群だった。由美が出会った蔭山雄二は彼女の理想像。彼との新婚生活は幸せに満ちていた。が、一本の長い髪をきっかけに暗転。夫の下着に付いたそれに浮気の予感を抱いた由美は、彼の部屋を調べる。だが、見つけたのは毛根まで付いた髪の毛の束！凍りついた由美は昔の恋人にＳＯＳを…。

知られたくない秘密が、誰にだってある…。吸血鬼であることを隠し、都会で生きている巴堯弘はある晩、街でからまれていた男、山神太地を助ける。純粋なのに野性的な太地に惹かれた堯弘は、一夜限りのつもりで身体を重ねたが、もっとそばにいて欲しくなる。しかし普段は温和な太地は夜空に月が輝いた途端、性格が豹変して…。百年の孤独を癒すラブストーリー。