小説むすび | 2002年12月発売

2002年12月発売

シティ・オブ・ボ-ンズシティ・オブ・ボ-ンズ

ハリウッドの丘陵地帯の奥深くで、人骨らしき遺物が発見される。一匹の犬がそれを咥えてきた時、隠されていた事件が明らかになった。警察の鑑定の結果、その骨は十二歳くらいの少年のもので、死亡時期は二十年近く前、死因は鈍器による頭部への殴打であることがわかった。ハリウッド署の刑事ハリー・ボッシュは、殺人事件として捜査にあたるが、手がかりは乏しく、捜査は遅々として進まない。だが、まもなく現場付近に住む逮捕歴のある小児性愛者の男が捜査線上に浮かび上がる。ボッシュは取り調べにあたるが、男の前歴が外部に漏れ、容疑者としてテレビ報道されてしまう。男は無実を訴え、不当な取り調べを糾弾する遺書を残し、自殺してしまった。有力容疑者の死亡という最悪の事態に、警察内部にはボッシュを早期に解雇せよとの不穏な空気が流れ始め、彼は窮地に立たされた。そんな時、ある女性から骨について新しい情報が入るが…。哀しき運命に翻弄された骨のため、ボッシュは刑事生命を賭けて事件の真相に迫る。汚れた“天使の街”で独り正義を貫く、刑事ハリー・ボッシュの生きざまを描いた、シリーズ最新作。

ビタ-・メモリ-ビタ-・メモリ-

恋人のノンフィクション作家モレルのアフガン行きが決まり、憂鬱な日々を送るわたしのもとに、黒人労働者のサマーズから保険金詐欺の調査依頼がきた。また同じ頃、シカゴではホロコーストについて話し合う会議が開催されていたが、そこでスピーチをしたラドブーカという男性の名前を聞いて、親友の女医ロティが失神してしまう。彼女の過去と関わりがあるらしいのだが、何を訊いてもいっこうに答えてくれない。彼女を助けたい一心でわたしはラドブーカを調べはじめるが、その直後、まるで調査を妨害するようにわたしを中傷するビラが街頭でばらまかれた。さらにサマーズの保険を扱った代理店の店主が殺され、ロティが忽然と姿を消す。わたしは二つの事件の意外な結びつきに気づくが、そのせいで身近な人間を危険に晒すことに。事件は混迷を極め、真相を追うわたしの前に事件に関わる人々の苦く哀しい過去が浮かび上がる。過去の亡霊に悩む親友のために奔走するV・Iの友情が深い感動を呼ぶ大作。英国推理作家協会賞ダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)に輝く著者が贈る、女性探偵V・I・ウォーショースキー・シリーズ第10弾。

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