2002年6月20日発売
硬派のタフガイと軟弱なお坊っちゃま。一見ミスマッチなこの刑事コンビこそ「踊る大捜査線」が呈示した警察改革の継承者に他なるまい。内外の敵を向こうに回し、渾身の捜査を繰り広げる“現場”の戦士たち。第25回メフィスト賞受賞作。
生まれついての冒険好きがたたり、絶海の孤島にただひとり流れついたロビンソン・クルーソー。その日から、生きるための孤独なたたかいがはじまった。-人間本来の姿がえがかれる、決死のサバイバル・アドベンチャー。
セクシーな夢をみているだけではだめ。現実の男の人を見つけなさい。エリザベスは妹のリラに、いつもそそのかされる。夫が不慮の事故で亡くなって二年。彼女は幼い二人の子を育てながら、ホテルでブティックを経営している。そんな彼女の前に現れた二人の男性。ホテルのオーナーと建設会社の社長。エリザベスの心も体も激しく乱れはじめて…。全米で100万部突破の大ベストセラー。
環境破壊の進む八〇年代の西ドイツで、義兄の経営する化学工業会社のハッカー追跡を依頼された私立探偵ゼルプは、調査を進めるうちに義兄と自分の過去に関わる重大な事実をつかむ。戦前ナチの政権下で検事だった彼は、過去の罪の意識を頑なに持ち続け、自ら歴史の暗闇に入り込んでいくが…。『朗読者』の作家が知人と共作した初の長編ミステリ。
あの女に逢いたい!美人コンテストの優勝者クラッシーに一目惚れした未収金取り立て業者のエイプリルは、彼女の人生を過去から現在まで調べあげる。彼の想像とは裏腹に、彼女は金という目的のためには手段を選ばず、次々に男を食ってのし上がる悪女だった。だが彼は彼女の魅力に逆らえず、ついに彼女の現在の消息を知ることに成功するが…。技巧派ミステリの才人が放つ異色の長編。
読めない名前の子どもたちが殺される!?被害者の名前は「五百旗」に「計徳」。掌には謎のメッセージ「1+1=」。深夜の公園で彼女は何をしていたのか?隣りのオタクに気をつけろ!手首を斬り落としたのはなぜ?食べてはいけない!謎また謎。ツイストに継ぐツイスト。スピーディで華麗な展開。どんでん返しの連鎖反応があなたをつかんで離さない!9年の沈黙を破って黒崎緑が秘術をつくす待望の長編ミステリ。
「早く乗せて!」非番の刑事天城憂の車に、女性が乗り込んで来た。真幌市在住の有名なミステリー作家闇雲A子だった。この春から十一件も連続して殺人事件が発生している。その「真幌キラー」をA子は追っていたのだ。死体の耳が焼かれ、傍には必ず何かが置かれている。犬のぬいぐるみ、闘牛の置物、角材…。真幌市を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼の正体とは。
あらゆる小説を読んではいるが作品を書いたことがない大作家・大文豪と、小説を読んだことはないが無限に文章が浮かぶ弟子のミユキ。彼らに試練が訪れた。霊界の“文章魔界道”に棲む文章魔王が、この世のすべての小説を消滅させようとしているのだ。ミユキは魔界道に飛び込み、大作家たちを倒した魔王に立ち向かう!気鋭が挑むパラレル日本語ミステリー。
湖畔の樹海に、新たな伝説が生まれようとしていた。奥深いその森に棲む一家の主が、家族を斧で惨殺し失踪。数年後、事件を究明するため、若者が一人で森に分け入り遭難。そして今、若者が遺した克明な手記『遭難記ー魔の森の調査報告書』を片手に、男女二人の大学生が樹海に足を踏み入れ、さらに…。過去と現在が恐怖に共鳴し錯綜する、驚愕のミステリー。
西暦一九四〇年秋。戦乱の渦が全地球を覆おうとする、その時…。世界は日英VS米独という奇怪な勢力構造によって統べられていた。英国本土航空戦に敗退したドイツ第三帝国総統兼州知事ヘスは、停滞状況を打破すべく、新鋭戦艦“ビスマルク”を米国本土へと回航させる。迎え撃つは“フッド”“ロドネー”そして“金剛”“陸奥”の戦艦部隊-。一年後、日英連合艦隊は総力をあげてハワイ真珠湾を奇襲した!一方、アイスランドを無血占領した米大西洋艦隊は一挙に南下を開始し、ここに第二次ジェットランド沖海戦の火蓋は切られたのである。混沌とした世界を裏で牛首る実業家ヒトラーは不気味に頬を歪めた。彼が胸中に秘めた世界を掌中にする策とは、いったい何か?大西洋に寧日なし!!大河架空戦記、待望の続刊、ここに登場。
連合艦隊司令長官に就任した山本五十六大将が断行した破格の人事。海軍伝統の先任序列制を無視し、山口多聞少将を第一航空艦隊のトップへと抜擢した。それは、特進人事をしぶる海軍省や軍令部を怒鳴りつけてまで行なった山本の快挙であった。欧州大戦への参戦をもくろむアメリカは、日米開戦を口火として、ヨーロッパを席巻するドイツへ宣戦布告するつもりでいる。満を持すルーズベルト大統領の狡猾な笑い顔。(向こうがその気であれば、開戦時期はこちらの機を逸してはならない)山本は唇を強く噛むと、駐米大使野村吉三郎の思慮深い顔を思い出した。彼よりもたらされた密書から、すべては始まったのである。新たな顔と新たな戦略で臨む「もう一つの太平洋戦争」の行く末は。
本書では、子どもと子どもの本にいのちを賭けた稀有な人、瀬田貞二について、瀬田貞二の姿を縦糸、日本の児童文学の歴史を横糸として、日本の絵本を語る言葉のはじまり、一九五〇年、日本の児童文学の夜明け、能力と時間のすべてを子どもたちに解放した生涯という三つの視点から語っている。