2002年7月15日発売
12歳の夏ー。浜に倒れていたあの人。母のため息。家に寄りつかない父。-そして事件は起こった。21歳の今、あの夏の日々を振り返る。刑期を終えたあの人が帰ってくる…。罪と罰の深淵を見つめる魂の軌跡。
ドッジボール大好き少女のゆっこが所属するのは「みなとドッジキッズ」。設備もおんぼろの弱小チームだ。しかも同じ地区に強豪チームがいて、ドッジキッズは連戦連敗、地区予選を突破したことがない。今年こそと燃えるゆっこだが、なんと韓国へひっこすことになってしまった。もうみんなとドッジができない。ゆっこの夢も、これまでか…。
自白した被疑者がなぜ無罪に!?救済されるべき被害者に法はいったい何ができるのだろうか。金融犯罪、中国系マフィア、そして快楽殺人。イリーガルに挑む刑事当番弁護士・京森英二が直面した事件は、日本の社会病理と深く係わっていた。現役弁護士ならではの精密な筆致で描く傑作リーガル・サスペンス。
一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺されてしまう。森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第一作、待望の文庫化。
名探偵・法月綸太郎が帰ってきた!著者会心の傑作鉄道ミステリー「背信の交点」、オカルトじたての怪事件「世界の神秘を解く男」、法月綸太郎本人が登場しない異色作「身投げ女のブルース」など、テーマと構成にこだわりぬいた中編を収録。本格推理の醍醐味が味わえる“知恵と工夫のエンタテインメント”。
在日米軍基地で発生した未曾有の惨事。最新のシステム護衛艦“いそかぜ”は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った“楯”が、日本にもたらす恐怖とは。日本推理作家協会賞を含む三賞を受賞した長編海洋冒険小説の傑作。
「現在、本艦の全ミサイルの照準は東京首都圏内に設定されている。その弾頭は通常に非ず」ついに始まった戦後日本最大の悪夢。戦争を忘れた国家がなす術もなく立ちつくす時、運命の男たちが立ち上がる。自らの誇りと信念を守るためにー。すべての日本人に覚醒を促す魂の航路、圧倒的クライマックスへ。
一見単純な事件だった。裕福な銀行家が自宅のベッドで射殺され、階下の居間で一人でTVを観ていたと主張する28歳年下の妻メアリが逮捕された。夫婦はその前の晩に衆人環視の中、大喧嘩をしている。周囲の人々は、もともと年齢も家柄も不釣り合いな夫婦だったと証言する。さらには、メアリに夫殺しをもちかけられたが断わったと告白する男までが現われた。誰がどう見ても、容疑者メアリの有罪は間違いなさそうだ。だが、メアリの弁護士の依頼で調査に乗り出したスペンサーは、素朴な疑問を抱く。いくらなんでも、もうすこしましなアリバイくらい用意しそうなものだが…調査にかかったスペンサーには尾行がつき、夫の一族が経営する銀行では不穏な噂があった。事件の背後には、想像以上に複雑な背景があるようだ。やがてスペンサーが真相に迫ったとき、殺し屋の銃口が火を吹いた!無邪気に見える若き未亡人は、有罪か、無罪か?事件の背後に潜むのは、何者なのか?久々にホームグラウンドに戻ったスペンサーが、勝手知ったるボストンの街を疾駆する。
アメリカに初の黒人大統領が誕生した!この事実は世界各国の政治に多大な影響を与えたが、それは世界政治だけでなくいわば末端に生きる二人の男の人生をも大きく変えることとなった。一人はアメリカ合衆国財務省シークレット・サービス大統領警護課長・ジャック・ロジャース、もう一人は警視庁警備部所属・野口英輔であった…。
新宿中央公園わきの路肩にとめられていた乗用車の運転席で、チンピラが頭を打ち抜かれて死んでいた。車内からコカインが見つかり、このチンピラが死の直前に鼻孔から吸引しているのも確認された。同じ日、代々木の焼肉屋で九名の射殺死体が発見された。鑑識の結果、凶器はたった一丁のトカレフであることが判明した。両現場ともに目撃者はおろか銃声を聞いたものさえいなかった。その男の存在を、新宿署のマル暴刑事奥村が知ったのは、この事件が発端だった。