2002年9月1日発売
死都日本(にっぽん)死都日本(にっぽん)
我々は今、地球システムのなかに新たな構成要素として、人間圏を作って生きている。そんな我々の一年を地球時間に換算すれば、1万〜10万年に相当する。では、そんな時空スケールで日本列島の人間圏を考えたら、我々は何処へ行くのか?それが本書のテーマだ。『日本沈没』以来久々の、日本の作家にしか書けないクライシスノベルの登場。第26回メフィスト賞受賞作。
一月物語一月物語
明治三十年、奈良県十津川村。神経衰弱の気鬱を逃れ、独り山中をさまよう青年詩人・真拆は、老僧に蛇毒から救われ、山寺に逗留する。俗世から隔絶された奇妙な時空の中で、真拆はいつしか現実と夢界の裂け目に迷い込み、運命の女と出逢った。それは己の命を賭けることでしか成就しない愛、だが、刹那に失われる運命の愛だった…。古典的風格さえ漂う端麗な筆致で描かれた聖悲劇。
凶気の桜凶気の桜
怖い大人がいねかえら、脳ミソのぱさついた阿呆がのさばるんだ。生まれて来て、すみません、って思いを味わわせてやるー。渋谷に若きナショナリストの結社が誕生した。その名はネオ・トージョー。薄っぺらな思想ととめどない衝動に駆られ、“掃除”を繰り返していた彼らは、筋者の仕掛けた罠にはまっていた。『時計じかけのオレンジ』の冷笑も凍りつく、ヒップなバイオレンス小説。
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