2004年4月15日発売
破壊大好き、高飛車、強引、etc。世界一危険な公務員・薬師寺涼子警視が、善良なる部下・泉田準一郎警部補を引き連れてパリ出張。空港で不審極まる殺人を目撃した涼子は、国境も平和外交もスッ飛ばし、越権捜査に猛進する。「これは戦争よ!」見えざる敵の襲撃を受けたお涼サマの宣言が、花の都を揺るがせる。
名誉も誇りもない、そして戦闘を前提としていない、世界一奇妙な軍隊・自衛隊。世間が高度成長で浮かれ、就職の心配など無用の時代に、志願して自衛官になった若者たちがいた。軍人としての立場を全うし、男子の本懐を遂げようと生きる彼らを活写した、著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ。
国際的な作家古義人の義兄で映画監督の吾良が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇。
「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」-江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。
「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の佐吉は蒼白な顔をした。親思いの娘・お露、煮売屋の未亡人・お徳ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。同心の平四郎と甥の美少年・弓之助が、事件の裏に潜む陰謀に迫る「宮部ワールド」の傑作。
近頃、どうして階段が急にきつくなったのだろう?-中年男性の悲哀をユーモラスに描き、あまりにも身につまされる内容が大評判を呼び、盗作が相次いだという幻の名作「あなたの年齢当てます」。犬の立場から人間の上手な飼い方を綴った「愛人マニュアル」ほか、思わずチェシャ猫の笑いを浮かべさせる日常生活のスケッチ19篇。しゃれた笑いにごぶさたのあなたに、笑いの達人コーリィ・フォードが最高のプレゼントを贈ります。
冒険好きな若夫婦のトミーとタペンスが、国際探偵事務所を開設した。平和で退屈な日々は、続々と持ちこまれる事件でたちまち慌ただしい毎日へと一変する。だが、二人は持ち前の旺盛な好奇心と若さとで、猟犬のごとく事件を追いかける!おしどり探偵が繰りひろげるスリリングな冒険を描いた短篇集。新訳で登場。
優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。
オックスフォード大学史学部の学生ネッド・ヘンリーは、第二次大戦中のロンドン大空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂の再建計画の資料集めの毎日を送っていた。だが、計画の責任者レイディ・シュラプネルの命令で、20世紀と21世紀を時間旅行で行ったり来たりさせられたネッドは、疲労困憊、ついには過労で倒れてしまった。シュラプネルから、大聖堂にあったはずの「主教の鳥株」という花瓶をぜひとも探し出せと言われていたのだ。二週間の絶対安静を言い渡されたものの、シュラプネルのいる現代にいては、ゆっくり休めるはずもない。史学部のダンワージー教授は、ネッドをのんびりできるにちがいない、19世紀のヴィクトリア朝へ派遣する。ところが、時間旅行ぼけでぼんやりしていたせいで、まさか自分が時空連続体の存亡を賭けた重要な任務をさずかっているとは夢にも思っていなかった…。ジェローム・K・ジェロームのユーモア小説『ボートの三人男』にオマージュをささげつつ、SFと本格ミステリを絶妙に融合させ、ヒューゴー賞・ローカス賞のほか、クルト・ラスヴィッツ賞を受賞したタイムトラベル・ユーモア小説。
「ピッチ、このオヤジ、殺して」少女が叫ぶと、若い男は探偵の腹にナイフを突き立てた。入院した“俺”を見舞いにきた自称「霊能力者」のオバチャンの依頼で女子高生の家庭調査の依頼を受けることに。軽い気持ちで引き受けた調査と、自分を刺した犯人捜査とが交錯した時、“俺”は札幌の闇に渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていることに気づくのだった…“ススキノ探偵シリーズ”、待望の長篇書き下ろし。
あの時、持っていなかった「自分」は手に入ったかい?僕らは自分がどこからやってきた何者なのかを知らずに大きくなった。だから自分に自信が持てずに目立たない大人しい子供になるか、常に瞳の奥に警戒心を持つような人間にならざるを得なかった。
16才。アイデアのお値段は10億円!ルックスも成績もコンプレックスだらけの女の子が、広告代理店の高校生ブレーンに。脳みそに嵐を起こすアイデア出しの修羅場で見つけたものは、自信と勇気と夢のかけら。そう、宝物は、あたしの頭の中にある。
天下統一目前の天正十八年、いまだ混沌とした荒野であった関東。不気味にそびえる髑髏城に無頼の七人が集まった。日の本を手に入れるのはあの方であったはず…。それぞれの想いと刃が炸裂する。劇団☆新感線の名脚本家が、小説界に殴り込み!21世紀にふさわしい怪奇幻想チャンバラ小説、ここに誕生。