2004年発売
刑務所内で大がかりな陰謀が進行しているとの内部告発を受け、パリ警察が誇る名予審判事シャルル・ベルトランは、内偵のためタントワーヌ刑務所を訪れた。そこは十字架形の獄舎に長期刑の服役者だけが収監され、断崖に囲まれた脱出不可能の監獄島。囚人の中には国際的な犯罪者で、かつてベルトランが逮捕したアレクセイ・ボールドウィンもいた。密かに調査を始めたベルトランの前に突如、驚愕の事件が巻き起こる。内部から閉ざされた部屋での殺人。そして時計塔から吊り下げられた火だるまの絞殺死体…だが、これもまだ、その後に続く惨劇の幕開きに過ぎなかった。
心臓の骨(ボーン・オブ・ハート)と呼ばれる赤きに赤い魔性の石に魅せられた井之上雅比古博士は、石の所有者である老嬢・小藤祥之と共に南海の孤島アーカムへ、六十年に一度、世にも美しい大潮の祭り見物の旅に出る。冒険家のロレンツォ・オゴタ、ヴァンプ女優の有田万里、その幼い娘マリカらと乗り合わせた雅比古たちは、優雅なヴァカンスどころか大騒動に巻き込まれていく。麻薬密売、発見された死体、密漁団、人質にとられた母娘。雅比古はオゴタらと共に救出に向かうのだが-!いつともどことも知れぬ世界を舞台に描く怪奇幻想冒険譚。いざ行かん、不思議な旅へ。
爆破事故発生の知らせを聞いたとき、東郷敬介警部補の背筋に冷たいものが走った。爆発現場の文化センターで行われているピアノ発表会に、妻と娘が参加していたからだ。急いでかけつけたが、二人はすでに死亡していた。その後、爆発は事故ではなくテロであることが判明。犯人への怒りに燃えた東郷は、上司の命令に抗して、独自の捜査を開始する-。
『冬のソナタ』のペ・ヨンジュン主演、様々な愛を深く描いた涙溢れる感動ドラマ。真実の愛が教えてくれた、生きる喜び、愛することの喜び…。絶望の淵に立たされても、あなたが希望を与えてくれる。恋人、親子、様々な愛が絡みながら、物語は感動の結末へ-。
今度の任務は、人気女優の護衛。ロケ地の“雪の国”へ向かったナルトたちは、カラクリ仕掛けの鎧を着けた忍者に襲撃され、早くも窮地に陥る!なぜ、女優の雪絵が標的に?とまどうナルトたちに明かされた雪の国の過去とは!?現在の任務と、若き日のカカシの任務が、複雑に絡み合う!劇場版『NARUTO-ナルトー』を完全小説化。
氷帝学園・跡部との対戦において負傷し、戦線離脱を余儀なくされた手塚。しかし、その穴を埋めるべく、青学メンバーは進化し続ける!緑山中、六角中ら強豪を相手に関東大会を勝ち進む青学。そこに立ちふさがるは、王者・立海大附属。圧倒的な強さを前に、青学はどう戦う!?話題沸騰の関東大会クライマックスが、早くも小説で登場。
海上都市ワイスタァンに平和がもどり、鍛聖となったプラティは、多忙ながら平穏な日々を送っていた。そんなとき、街に不思議な事件が…。謎の覆面集団の正体は?消えた聖霊はいったいどこへ?プラティの戦いがふたたびはじまるー。ナツミとソルも帰ってくる!人気ゲーム「サモンナイト」外伝。ゲームでは描かれなかった、もうひとつのストーリーが幕を開ける。
十代で菊池寛に見出され、横光利一に才能を認められ、二二歳の時「酩酊船」で文壇デビュー、将来を期待されながらも以後一作の小説も刊行しないまま、奈良、山形、三重など日本各地を放浪、在野で文学研究に打ち込む半生を送った後発表した「月山」で、六二歳で芥川賞を受賞した作家、森敦。その間殆ど小説を書かなかったにも拘わらず、森は太宰治、檀一雄らと同人誌を作り、又、すでに名を成した錚々たる作家達が訪ねて来ては文学上のアドバイスを乞う。プロの作家でもなく、定職に就かない時期も永い、一介の在野の人間である森の文学理論は驚くべきものだった。本書は、五十代で東京に移り住み、文学研究に没頭した森敦に親しく接し、文学上の師弟関係となり、更に森敦夫妻の生活面まで助けるようになった著者が、森の没後十五年の今、作家の素顔と謎の半生、そして名作「月山」執筆と芥川賞受賞の経緯を評伝小説として綴ったものである。
テレビカメラマンの今日子と料理番組アシスタントの美園はともに39歳。それなりに やりがいのある仕事と自由な恋愛を楽しんできたが、40歳を前にして、突然、不安に 襲われる。 「コドモ」なしの人生で、本当にいいのだろうか。このままいけばすぐに生物学的に 子供を持つことは難しくなる。それはもしかすると、とてつもない幸運や幸福を取り 逃がすことにならないだろうか。 かくして、美園は、「母親」になることを決意し、今日子とともに、「父親」探しを 始めるのだった。
世界で初めて全身麻酔に挑み、乳がんの摘出手術に成功した江戸後期、紀州の名医、華岡青洲。その成功に不可欠だった麻酔薬の人体実験に、妻と母は進んで身を捧げた。だが、美しい献体の裏には、青洲の愛を争う二人の女の敵意と嫉妬とが渦巻いていた…。著者の没後20年を記念して、新装版で甦る日本文学の作品。
自殺から3年後の命日の前日、飛鳥はひそやかな気配となって現れた。23歳の娘の死を受け入れられない母親、弟、すでに再婚した父親、男友だち、ストーカーだった男、弟の恋人-関わりのあった6人ひとりひとりの物語があぶりだす飛鳥の死の真相とそれぞれの心の闇。自ら命を絶った者と残された者の魂の安らぎを描く長編小説。