2005年7月8日発売
東北の小さな高校で一人の女子生徒が首を吊った。黒板には、誰が書いたか席割りと同じ5×5のビンゴの図。その中央が彼女の席だった。森に響き渡る「リーチ!」「ビンゴ!」の声。そして、恐怖が始まった。
抉られた腹部にへその緒だけを残した女性の死体が発見された。彼女たちは、送信者不明のメールを受け取った一ヶ月後に殺されていた。そのメールは雅斗の恋人、朱美にも届き……戦慄の都市型ホラー小説!
アーヴの起源を語る「創世」をはじめ、平面宇宙航法開発に絡むエピソード「蒐集」、スポール幼少時の伝説「君臨」、ソバーシュの地上世界探索行「夜想」、ラフィール生誕にまつわる秘話「誕生」、ジントの人生を大きく変える原因となった「接触」ほか、サムソンの食へのこだわりや、ジントの修技館時代の思い出など、本篇ではくわしく語られることのなかった星の眷族たちの逸話を収録。書き下ろし「原罪」をふくむ全12篇。
今世紀最高の女流作家・短編小説の名手に村上春樹が挑戦。NY・ブロンクスに生まれ、二十世紀のアメリカを生き抜いた女の名作品集 村上春樹が初めて訳す女性作家は、御年七十七歳、白髪・小太り、ニューヨーク・ブロンクス育ちのロシア移民二世。「矍鑠(かくしゃく)」という言葉そのもの、一言でいえばアメリカの「肝っ玉かあさん」です。ただしこの〈グレイスおばあさん〉、本書を含むたった三冊で三十年間、アメリカ文学の最高峰に君臨し続けている伝説の作家。超ビッグなおばあさん作家と村上春樹の組み合わせの妙を楽しんでください。 たった3冊の短篇集で、50年の間、圧倒的支持と尊敬を受けつづけている、まさに稀有な作家、グレイス・ペイリー、御年83歳、NY・ブロンクス生まれ。ストレートにタフだけれども、温かく、ちょっとはぐれたおかしさがたまらない。どの場面も熱い血が脈打っていて「いったんはまりこむと、もうこれなしにはいられなくなる」(訳者あとがき)17篇。