2006年2月28日発売
外資系ファンドのゴールドバーグ・キャピタルに勤める野上妙子は、東京支店長の待田顕一から、地熱発電を研究運営する日本地熱開発(地開)の再建を任される。妙子は地開の社長・安藤幸二や研究責任者の御室耕治郎から地熱発電の大いなる潜在力と将来性を説明され、再建の可能性を探る。一方、先進国エネルギー問題会議で、日本は欧米から原子力発電の閉鎖を強硬に求められていた。出席者の川邊勲は、帰国後、総理や“日本原子力の鬼”と謳われた与党の大物・安藤大志郎らと善後策を練るが、安藤は「原発なんぞやめてしまえ」と放言する。安藤の真意はどこにあるのか?最新のエネルギー情報をちりばめて描く大型経済情報小説。石油危機が叫ばれる今、ビジネスマン必読の書。
この男は人殺しですー。仮釈放となった中道隆太を待ち受けていた悪意に満ちた中傷ビラ。いったい誰が何の目的でこんな仕打ちをするのか?孤独な犯人探しを始めた隆太の前には巨大な“障壁”が立ちはだかった…。殺人を犯した者の“罪と罰”の意味を問うサスペンス巨編。
サラリーマンの妻から一転、市長夫人、そしてベストセラー作家となった彩。だが一躍有名人となった彼女に、過去からの忌まわしい男たちがつきまとうようになる。夫に気づかれぬように、彩は過去の男たちを排除しようと計画する。ところが実行寸前、彩を脅していた主犯格の男が死体で発見された!幸せな人生を約束されたはずの女性に訪れた突然の悲劇ー。さらに事件は、過去と現在がめまぐるしく錯綜し、意外な方向へと迷走していく。結婚という誰もが一度は考えるテーマに、男と女の本当の幸せとは何かを問うた渾身のサスペンス小説。
学生時代に欧州を旅した浅見光彦の兄・陽一郎は、イタリア・トスカーナにある街カッラーラ近郊で日本人男性に出会った。だが数日後に、この男が事故死を遂げる。それから三十年ー豪華客船「飛鳥」で秘密裏の調査をしていた光彦にもまた、トスカーナから謎めいた依頼が届き、兄が遭遇した同じ大地で日本人画家の怪死事件に巻き込まれてしまう。被害者の二人はかつて過激派組織に関わっていたことが判明、さらには法王庁の存在までもがこの事件に見え隠れし始める…。トリノに伝わる「聖骸布」、ダ・ヴィンチが残した謎、そして浅見兄弟を翻弄する怪文書「貴賓室の怪人に気をつけろ」。全てがリンクした時、光彦は崇高な禁忌と対峙することになる!名探偵・浅見光彦が二千年の聖域に挑む壮大なミステリー叙事詩。
その昔。少女は、病室できいろいゾウと出会った。青年は、飛ばない鳥を背中に刻んだ。月日は流れ、都会に住む一組の若い夫婦が、田舎の村にやってきた。妻の名前は、妻利愛子。夫の名前は武辜歩。ツマ、ムコさんと呼び合う、仲のよいふたりだった。物語が、いま、はじまる。最新にして最深の、恋愛長編小説。
歯を食いしばり一日を過ごす。星を数える間もなく眠りにつく。都に献上する銅をつくるため、若き国人は懸命に働いた。優しき相棒、黒虫。情熱的な僧、景信。忘れられぬ出会いがあった。そしてあの日、青年は奈良へ旅立った。大仏の造営の命を受けて。生きて帰れるかは神仏のみが知る。そんな時代だ。天平の世に生きる男と女を、作家・帚木蓬生が熱き想いで刻みつけた、大河ロマン。
華やかな奈良の都で、国人は大仏造営の作業に打ちこんでいた。ともに汗を流す仲間たちと友情を築いた。短き命を燃やす娘と、逢瀬を重ねた。薬草の知識で病める人びとを救い、日々を詩に詠む。彼は、確かな成長を遂げていた。数え切れぬほどの無名の男たちによって、鉱石に命が吹き込まれ、大仏は遂に完成した。そして、役目を終えた国人はー。静かな感動に包まれる、完結篇。
古びた二階建ての建物で、開業医を始めたサックス。いままで医師のいない村だったプライの住民たちは、まだ若く独身の彼を、最初は好奇の目で見る。どうせ、すぐ町に転居してしまうのさ。子供が泣きやまないんです…大したことはないと思うんですが、熱が…病気や怪我や老いは待ってくれない。いつしか待合室は満員になり、人々は熱心に噂を交換する。友達もいないのかな…本屋で見掛けた…食生活がみすぼらしい…でも、いい人みたいだよ…時間外でも、往診でも、ほかの医者の患者でも、常に患者と正面から向き合う医師の日々。フランスで、文芸書としては異例の60万部を売り上げ、世界中で反響を呼んだ話題作。
世界を震撼させたあのベストセラー小説に騙されるな!「わたしの物語は真実であり、それは単なる小説ではない」と『ダ・ヴィンチ・コード』の著者ダン・ブラウンは主張する。つまり、彼の小説は綿密なリサーチの結果であり、秘密結社や儀式をはじめとする歴史、芸術、宗教に関するデータはすべて「事実」に基づいていると言うのだ。だが、本当にそうだろうか?ダン・ブラウンの言葉に疑問を持った本書の著者が、物語の細部を徹底的に検証すると、驚くべき嘘が次々と明らかになっていく!-スペイン、イタリアで発売間もなくベストセラーとなった『ダ・ヴィンチ・コード』検証本。
正義の味方・赤頭巾侍。いささか直情径行の気味あり。悪漢を切り捨てた後に苦しまぎれの“こじつけ”推理が炸裂!!しかも毎回。早トチリの剣豪の活躍を描く、異色の時代ミステリー。