2007年10月16日発売
ローマーこの頽廃の都では恋など懶い日々のほんの一興。だが、ウィニキウスは心のすべてを傾けた。相手はリギ族王家の娘、人質の身の上、そしてキリスト教徒だったー。ヘリニズムとヘブライズムの拮抗を背景に、壮大な歴史ロマンの幕が上がる。
傷ついたウィニキウスを一心に看護するリギア。神への愛に身を捧げる人たちの中にあって、それぞれの心に重大な変化が芽生え、やがて幸福の予感が二人を包む。しかし、ネロの気紛れからローマの街は一面の火の海にのみこまれることに…。
怨霊や生霊の世界が身近にあった室町時代末期。六代将軍の落胤という熊野の源四郎は「将軍になろう」と、飢饉と戦乱で荒廃しきった京へ上る。都では八代将軍足利義政の御台所日野富子と、側室の今参りの局が権勢争いに明け暮れていた。その暗闘に巻き込まれた源四郎を、幻術師・唐天子の奇々怪々な幻戯が襲う。
終焉をむかえつつある人類の世界。探偵・南深騎(みき)と菜美の下に、黒鴣瑠華(くろうるか)と名乗る美少女が現れた。眠り続ける美女。蠢く人面蒼。3つの時を刻む巨大な時計。謎が漂うクロック城に2人を誘う瑠華。そこに大きな鐘が鳴り響いたとき、首なし遺体が次々と現れた。驚愕のトリックが待つ、本格ミステリ。(講談社文庫) 世界が終わる瞬間、あなたは誰と一緒にいたいですか? 「その時」だからこそわかる、本当に大切な人、守りたいもの。あなたなら、そのために人を殺せますか? 歓喜した。こんな本格の傑作に出会えようとは。--有栖川有栖 終焉をむかえつつある人類の世界。探偵・南深騎(みき)と菜美の下に、黒鴣瑠華(くろうるか)と名乗る美少女が現れた。眠り続ける美女。蠢く人面蒼。3つの時を刻む巨大な時計。謎が漂うクロック城に2人を誘う瑠華。そこに大きな鐘が鳴り響いたとき、首なし遺体が次々と現れた。驚愕のトリックが待つ、本格ミステリ。 「もしも、『クロック城』をブレイク前の習作だと思っている方がいたら、ぜひ本書を読んで勘違いに気づいていただきたい。(中略)シュアで美しい推理をたどり、ゴールに着いた時は、溜め息が出た。しごく素直な気持ちで、凄い、と思った。」--<有栖川有栖氏「解説」より> 第24回メフィスト賞受賞作
ガソリンに溶ける新種の覚醒剤0822。その密売ルートを追う愛崎署の宇崎の周囲で、情報漏洩の疑いや容疑者の死など不可解な出来事が次々と起こり出す。一方で家庭より仕事を優先する毎日から彼と妻の関係はいつしか冷え切っていた。正義感と墜ちる快楽との狭間で男が行き着く先は…警察小説の衝撃作。