2008年1月11日発売
戦局が風雲急を告げ、日本の降伏が濃厚となった昭和二十年。亡国の危機を打開するため、最新鋭の高速度ロケット戦闘機「秋水」の研究開発に携わる「ミツグ伯父さん」を慕い憧れる少年、「ぼく」。しかしその現実は、奇妙に、そして確実にねじれていく…。“ゴッド・オブ・ミステリー”こと島田荘司があの士郎正宗とタッグを組み放つ、超弩級のファンタジー・ワールド。
実務に追われる日赤救護看護婦を手伝っていた現地のビルマ人看護婦が全員解雇された。英印軍の攻勢により、ラングーンの兵站病院に撤退命令が出されたのだ。約三〇〇キロの道を歩いていく看護婦、傷痍兵、在留邦人、そして、ビルマ人。さまざまな偽りを胸に進む、撤退道の先にはー。
芥川賞候補作!初の中国人作家登場。「王愛勤」ことワンちゃんは、名前のとおりの働きもの。女好きの前夫に愛想をつかし、見合いで四国の旦那のもとへ。姑の面倒をみながら、独身男たちを中国へ連れていき、お見合いツアーを仕切るのだ。各紙絶賛の文學界新人賞受賞作。
“マーティン・ウィンターズは、クフ王のピラミッド内部には何度となく入ってきた。”-2012年11月21日、エジプト・クフ王のピラミッドを崩壊させて、巨大なレンズが浮上、そして、カイロ、アンコールワットなど世界各国の古代聖地からも、同じレンズが現われた。硬度3000、地球のどの物質より硬い14のレンズに、世界は静かに睥睨されていた。“ワイリー・デイルは身体の震えが止まらなかった”-12月1日深夜、作家は、絶望していた。かつて自分を恐怖のどん底に陥れ、消すことのできない心の傷を負わせたエイリアンが、向こう側の自分と家族を襲っている。彼は並行する世界の入口をくぐり、別次元の自分を救出しようとするが…そこには、二つの月が輝いていた。人類最大の謎古代マヤ暦の告げる“滅亡の日”を世界は乗りこえることができるか。