2008年5月16日発売
カシタンカ・ねむい 他七篇カシタンカ・ねむい 他七篇
日本におけるチェーホフを考えるとき、神西清(1903-1957)を抜きにしては語れない。短篇の名手の逸品を翻訳の名手がてがけた9篇、これに訳者のチェーホフ論2篇を加えた“神西清のチェーホフ”とも言うべきアンソロジー。表題作の他に、「嫁入り支度」「かき」「少年たち」「アリアドナ」等を収録。
ファイアー・フライファイアー・フライ
ある企業の主任研究員である木島は、突然、社長と間違われて誘拐される。監禁された山の廃村で、いつしか犯人たちとの心の交流が生まれ、自然の中で、徐々に自分を取り戻していく木島。しかし、彼に横領犯の汚名が…ストックホルム症候群と呼ぶにはあまりに切ない展開、自然から切り離され、人との絆も薄れた現代人に贈る“再生”の物語。
あちんあちん
暗い雨の日には、お堀ばたを歩いてはいけない。オホリノテに、影を喰われるー舞台は現代の福井、平穏に暮らす公務員・奈津美が見たものは何か。雨の日に這い出す藻草、タブノキの下に埋まっているもの、午前2時19分に鳴る公衆電話、出られないトンネル…実話から織り上げた珠玉の怪談小説。第2回『幽』怪談文学賞短編部門大賞受賞作。
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