2009年1月発売
筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・宮崎織部への不満が高まっていた。間小四郎は、志を同じくする仲間の藩士たちとともに糾弾に立ち上がり、本藩・福岡藩の援助を得てその排除に成功する。藩政の刷新に情熱を傾けようとする小四郎だったが、家老失脚の背後には福岡藩の策謀があった。藩財政は破綻寸前にあり、いつしか仲間との絆も揺らぎ始めて、小四郎はひとり、捨て石となる決意を固めるがー。いま最も注目を集める新鋭が放つ、いぶし銀の傑作。
町村合併で町のお荷物になっている旧川西村。後輩の自殺により、華やかな都会の生活を捨て孤独な田舎暮らしを選んだ元コピーライターは村を愛する、熱心でちょっと頼りない地域活性課職員に強引に勧誘されて、町おこしに乗り出す羽目に…過疎、高齢化、外国人労働者ー問題の村が、息を吹きかえす。
帆奈、13歳。両親の別居でNYから単身帰国中。日本の学校に馴染めない帰国子女。斗六、28歳。高校時代のある事件が原因で外に出られなくなった、本当はイケメン。叔父と姪、それぞれの「問題」を抱えた二人は一緒に暮らすことになる。帆奈はおじさんを立派な大人にするために、恋をさせようと奔走するが…。
大阪の私立晴峰女子高校では、理事長の酒井が学校法人を私物化していた。美術講師の熊谷と音楽教諭の菜穂子は、酒井に不正の証拠をつきつけ、理事長退任と教員の身分保障を求める計画に同僚から誘われる。交渉は成功したかに見えたが、その後酒井と愛人が失踪。ふたりの行方を追った熊谷と菜穂子は、交渉を隠れ蓑にした理事長の財産強奪計画に巻き込まれていくー。悪党たちが駆け回るノンストップ騙しあい小説。
やっぱり罠にはまった。そんな気がする。ふとした光景から人生の可笑しさを巧妙にとらえる森絵都マジック。たとえばドバイのホテルで、たとえばスーパーマーケットで、たとえば草野球のグラウンドで、たとえばある街角で…人生の機微をユーモラスに描きだすとっておきの11篇。
19年間の投獄生活を経て出獄したジャン・バルジャンは、ミリエル司教の導きにより新しい人生を歩むことを決心する。だが数年後、名前を変えて市長となったバルジャンの元にかつて牢獄で看守をしていたジャベールが警察署長として赴任してくる…。フランス最大の詩人にしてロマン派を代表する作家・ユゴーのベストセラーを漫画化。
馨くんを嫁にいただきたいー運転手付きのリムジンで突然自宅に現れ、常識外れのプロポーズをした男は、馨がその日受験した高校の保健室の先生、松岡。実は、松岡は大財閥の御曹司でその学園の理事、馨こそが15年間ずっと探していた運命の人だと言う。そんなわけで入学早々、秘密の新婚生活を送るはめになった馨…学校では保健室で“先生ごっこ”、家に帰れば“裸エプロンごっこ”と、変態ダーリンの調教は果てなく…。
圧倒的な存在感と演技力で、高い評価を得ているイケメン俳優、勝野尊ーだが実生活の彼は無愛想でわがままで気難しくて…その上、弱小プロダクションの所属なので役に恵まれない。そんな勝野の担当となった新人マネージャーの雅之。勝野から挑発され、メジャーな仕事を引き受けてくれたら抱かれてやると宣言してしまった雅之は、勝野のキャスティングのため奔走することに…。熱血マネージャー体当たりLOVE。