2009年3月発売
黒船来航、台場建造で騒然とする江戸品川。川越藩樋口家の主・杢右衛門と妻・沙代は、台場守備の陣屋築造のため、下屋敷に移り住むことになった。砂塵が舞う仮住まいの暮らしに、みおという砂まみれの女が下女としてやってくる。そして夫の朋友彦三郎も同居することに…。夫と妻と女と男、妖しく揺らぐ恋情を、新たな時代の息吹のなかに濃やかに描き出す長編小説。
舞台は中国唐代。元エリート県令である父親の財に寄りかかり、ぐうたら息子の王弁は安逸を貪っていた。ある日地元の黄土山へ出かけた王弁は、ひとりの美少女と出会う。自らを僕僕と名乗るその少女、実は何千何万年も生き続ける仙人で…不老不死にも飽きた辛辣な美少女仙人と、まだ生きる意味を知らない弱気な道楽青年が、天地陰陽を旅する大ヒット僕僕シリーズ第一弾!「日本ファンタジーノベル大賞」受賞作。
「あのね、この子猫達、化けるんですって」お気楽跡取り息子・麻之助に託された三匹の子猫。巷に流れる化け猫の噂は、じつは怪しい江戸の錬金術へとつながっていた!?町名主名代ぶりも板につき、絶妙の玄関捌きがいっそう冴えながらも、淡い想いの行方は皆目見当つきかねる麻之助。両国の危ないおニイさんたちも活躍するまんまことワールド第二弾。
信彦は、中学生の頃からいじめに苦しむ清志をずっと助けてきた。清志はある日、街角の質流れ品屋で見つけた壊れかけたギブソンのレスポールを手に入れる。その日を境に二人の間には決定的な溝がうまれた-学校での恐ろしい毎日を、ぼくは息を殺してやり過ごした。あのギターと出逢うまでは-幻想と恐怖の分水嶺に挑む、著者の新境地。
騎士道物語の読み過ぎで妄想に陥った農民のアロンソ・キハーダ老人は、 みずからを伝説の騎士と思い込み、痩せ馬のロシナンテと従者サンチョ・パンサを引きつれ、 家族や友人の心配をよそに冒険の旅に出る……。 自意識や人間の成長などそれまでになかった「個」の視点を物語に盛り込み、 「はじめての近代小説」ともいわれる16世紀の傑作を漫画化。
名前も定かでない日雇い農民の阿Qは「精神勝利法」という一種の癖を持っており、 喧嘩で負けようが、笑い者にされようが、結果を自分の都合の良いように取り替え、 心の中で自分の勝利としていた……。 当時の中国社会にはびこる問題を風刺的に描き、辛亥革命の失敗点を強く指摘したとされる 『阿Q正伝』他『狂人日記』『藤野先生』など5編を漫画化。
受験に失敗、絶望のあまり川に身を投げようとした三鈴を一喝し救ってくれたのは、新進気鋭の芸術家、隈だった。やがて大学生となった三鈴は、隈のアトリエで雑用のバイトを始めることに…。憧れはいつしか燃えるような想いへと変化し…ついに「肉体関係もありの恋人にしてください!」と告る三鈴。だが、隈にはちょっとアブナイ嗜好があって…踏み込んだのは大人のエッチの世界!?ドキドキの初めて尽くしLOVE。