2009年6月12日発売
あの男をとっ捕まえないとまたぞろ殺しをしでかすー。妙な中年女の訴えで一度御赦免になった桜の銀助を追いはじめた逸馬は、解決したはずの娘殺しの裁決に疑念を抱く。七回忌まで欠かさず娘の仏前に参りながらふいに姿を消した銀助には、金に絡んだ過去の因縁がつきまとう。
江戸川、大磯で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。小松川署に勤務する青木は、独自の調査を始めた。一方、元刑事の益田は、榎木津礼二郎と毒殺事件の被害者との関係を、榎木津の従兄弟・今出川から知らされる。警察の捜査が難航する中、ついにあの男が立ちあがる。百鬼夜行シリーズ第九弾。
30年間も音信のなかったあの人の訃報は縁もゆかりもないはずの山梨・勝沼の老人ホームから届いた。顔も知らない父親の残したわずかな遺品のなかから見つけた1本のフィルムには、何が写っているのか?我々の暮らす街の片隅で仕事をし恋をする人々の切なさや喜びをこまやかに描いた、初めての短編小説集。
帰宅途中の電車のなかで偶然気づいたひそやかな追跡劇。その尾行者が、ようやく幸せをつかんだかに見えたわたしにつきまとうようになる。地下鉄の駅の階段を歩いてのぼる者同士として意識するようになり結ばれた恋人。彼はこの尾行者と何かつながりがあるのか…。切なさが胸に迫る長編恋愛ミステリー。
「多分…それで、おしまいですから」。世界を救うため“人類最悪の遊び人”狐面の男と対決する決意をした“戯言遣い”いーちゃん。復活した哀川潤とともに決戦の場に向かう。最悪対最弱、最終対最強の戦いの結末は。「戯言シリーズ」ここに完結。
高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い込んだ。久々の儲け話に意気込むハラーだが…警察小説の名手が挑む迫真のリーガル・サスペンス。
多額の報酬が約束された事件を調べるハラーは、かつて弁護を手がけたある裁伴へと辿りつく。もしかしたら自分は無実の人間を重罰に追いやってしまったのではないか。思い悩む彼の周囲に、さらに恐るべき魔手が迫る。絶体絶命の状況下で法廷に挑む彼に勝算はあるか?コナリーワールドの新境地を拓く意欲作。
将軍家斉の四男敬之助が急逝し、尾張徳川家は後継を失う。思惑渦巻く江戸城を震撼させたのは、神君家康の書付発見という駿府からの急報だった。真贋鑑定を命じられた奥右筆組頭、立花併右衛門は、衛悟の護衛も許されぬ覚悟の箱根越えに向かうのだが!?注目度第一位シリーズ、待望の最新刊。
「熱、つつ、つ」。偶然たどりついた店で出会った、いとしのお好み焼き。初恋の相手に連れて行かれた理想のおでん。彼女の食べる姿に惚れたきつねうどんにたこやき。妻が味を再現できないすきやき。そして離婚相手と一緒に味わうてっちり…。読むと幸せになれる、食と恋の短編集。笑って恋して腹がすく。
日本橋の高札場で、元盛岡藩士が切腹した。背景には、盛岡・弘前両藩の二百数十年にわたる確執があるらしい。旗本の嫡男・神木光一郎は、盛岡出身の剣豪・相馬大作と親交を深めるうち、大藩の存亡にかかわる真実を知ることとなるが…。