2009年発売
騎士道物語の読み過ぎで妄想に陥った農民のアロンソ・キハーダ老人は、 みずからを伝説の騎士と思い込み、痩せ馬のロシナンテと従者サンチョ・パンサを引きつれ、 家族や友人の心配をよそに冒険の旅に出る……。 自意識や人間の成長などそれまでになかった「個」の視点を物語に盛り込み、 「はじめての近代小説」ともいわれる16世紀の傑作を漫画化。
名前も定かでない日雇い農民の阿Qは「精神勝利法」という一種の癖を持っており、 喧嘩で負けようが、笑い者にされようが、結果を自分の都合の良いように取り替え、 心の中で自分の勝利としていた……。 当時の中国社会にはびこる問題を風刺的に描き、辛亥革命の失敗点を強く指摘したとされる 『阿Q正伝』他『狂人日記』『藤野先生』など5編を漫画化。
受験に失敗、絶望のあまり川に身を投げようとした三鈴を一喝し救ってくれたのは、新進気鋭の芸術家、隈だった。やがて大学生となった三鈴は、隈のアトリエで雑用のバイトを始めることに…。憧れはいつしか燃えるような想いへと変化し…ついに「肉体関係もありの恋人にしてください!」と告る三鈴。だが、隈にはちょっとアブナイ嗜好があって…踏み込んだのは大人のエッチの世界!?ドキドキの初めて尽くしLOVE。
留学中の独逸から砂漠の王国サリジタールに獲われ、第四王子ファイサルの愛妾になってしまった軍人の弟、晴彦。そんな弟を連れ戻そうと乗り込んできた公爵家長男の篤弘だったが、第二王子のラシードに行く手を阻まれて…。椿姫のごとき妖艶な美貌でラシードを懐柔しようとする篤弘。だが、彼の仕掛けるスリリングな駆け引きに捕まってしまい…。惑い、淫らに散る傲慢な花…灼熱のアラビアンロマンス、書き下ろし。
北の傭兵王 VS 東の天才 大河ノベル2009 1つの天空に、3つの太陽は輝けない。 シャムシ=アダド率いるアッシュール軍とイバルピエル率いるエシュヌンナ軍が全面衝突。オリエントに戦国を呼ぶ血の雨が降る時、剣戟の響きの中で暴かれる1人の女の真実。闇の王太子ハンムラビの正体。失わなければ得られない。それでも君は、四方世界の王(シャル・キブラーティム・アルバイム)への道をゆくのかーー。
森の中で出会ったコノエが気になりながらも、通常の賞金稼ぎ生活に戻るライ。再びコノエにまみえたとき、共闘し、彼が賛牙であることを知る。その能力を得るつもりで、コノエとともに旅立つライだったが…。ライ視点で紡がれる『Lamento-BEYOND THE VOID』小説版。
『1984年』『動物農場』で舌鋒鋭く共産主義・全体主義の 矛盾を語ってきたオーウェルが、書店員の経験を元に、 窓辺に飾る鉢植えの「葉蘭」と「貧困」という現代的テーマで書いた、 意外に知られていない自伝的作品の新訳!
これで最後! 大人気ノベライズ第4弾! 銀魂アナザーワールド「3年Z組銀八先生」、堂々完結! ジャンプSQ.掲載の3編にVJ掲載の短編と書き下ろし1編を収録。もちろん空知先生描き下ろしイラストも充実! ファン大満足の1冊!!
宋建国の英雄・楊業の死から2年。息子たちに再起の秋が訪れる。宋国と、北に位置する遼国は、燕雲十六州の支配をめぐって対立。かの地を手中に収めたい宋の帝は、楊業の息子で楊家の長・六郎に楊家軍再興を命ずる。かつて味方の裏切りに遭い、命を落とした父への思いを胸に秘め、立ち上がる楊家の男たち。六郎は、父が魂を込めて打った「吹毛剣」を佩き、戦場へ向かう。▼対するのは強権の女王・蕭太后率いる遼国の名将・石幻果。天稟の才を持つこの男は蕭太后の娘婿で、「吸葉剣」という名剣を佩いていた。その石幻果が父とも慕うのが、「白き狼」と怖れられる遼国一の猛将・耶律休哥。楊業を斃した男である。▼戦場で見えた六郎と石幻果。剣を交えた瞬間、天を呪いたくなるような悲劇が幕を開ける。軍閥・楊一族を描いて第38回吉川英治文学賞に輝いた『楊家将』の続編でありながら新展開。『水滸伝』『楊令伝』に登場する宝刀「吹毛剣」の前史がここにある。
闘うことでしか生きられない者たちに勝敗を決する秋が来た。楊家の男の証である「吹毛剣」を手に戦う六郎に、父楊業の魂が乗り移る。▼その剣に打たれたとき、遼国の名将・石幻果の記憶がにわかに蘇る。遼国に忽然と現われたこの男は、かつて宋遼戦で落馬し、記憶を失い、遼国に連れ去られた北平寨の将だった。過去を取り戻した石幻果は二つの人生を抱えてしまった運命を呪い、苦悩する。そんな石幻果に今を生きることを決意させたのは、父とも慕う耶律休哥である。▼一方、戦場で石幻果と出逢った六郎も、石幻果に既視感を覚える。不安を抱きつつ石幻果に近づく六郎。予感は的中した。▼運命に弄ばれる男たちの哀しみを描く慟哭の終章。綾なす人々の憎悪と哀しみが交錯する衝撃の結末。乱世の終わりを彩る壮絶な物語が、今静かに幕を降ろす。『水滸伝』に登場する青面獣楊志、楊令が佩く宝刀との奇しき因縁も明らかになる「北方楊家将」完結編。解説は森福都氏。
雨の横浜ー「猟犬」と呼ばれる男、神奈川県警捜査一課・真崎薫の孤独な戦いが始まる!連続殺人犯・青井猛郎を追い詰めた真崎だったが、コンビを組んだ赤澤奈津をかばった一瞬の隙をつかれて深手を負い、逃走を許す。捜査から外されるも、青井を追い続ける真崎。犯人が次に狙う標的とは?そして真崎、赤澤、青井を結ぶ意外な接点とは?警察小説の名手が描く、緊迫の長編サスペンス。
ビアンキさんはイタリア中を旅するセールスマン。彼は、毎日9時きっかりに電話でお話を聞かせる約束を、娘としていました…。ビアンキさんのお話には、おてんばなミニサイズの女の子をはじめ、びっくりキャラクターが数々登場。シュールな展開に吹き出し、平和の尊さに涙する、きらめく珠玉のショートショート!20世紀イタリアの傑作童話登場。
1866年、世界の海で奇怪な海難事故が続発する。事実、多くの船が「謎の怪物」を目撃していた。紡錘形で細長いが、クジラよりはるかに大きく、時に燐光を発し、異常な速力をもっているという。調査に向かった軍艦もまた攻撃され、同乗していたアロナックス博士らは海に投げ出されてしまう。そして、博士らを救ったのも「謎の怪物」だったが、それはクジラではなく潜水艦ノーチラス号だった。
1869年、帆船チャンセラー号は、アメリカからイギリスに向けて航行中、予期せぬことから、大規模な火災を起こす。鎮火の努力もむなしく船は沈没。生き残った乗客と乗組員は筏に乗り込み、漂流を始めるが…自然の猛威、飢えと渇き、そして…。フランスの軍艦で実際に起きた事件をモデルとしつつ、極限状況における人間ドラマとして、迫真の筆致で描き尽くした傑作。
フラナリー・オコナーは20代半ばから亡くなるまで、アメリカ南部の農園で母とともに暮らした。難病と戦いながらも、午前中の数時間を必ず執筆にあてた。南部の人々を多く描いたが、その目は全世界を見捉えていた。O・ヘンリー賞を生涯で4度受賞し、短篇の名手と賞賛される。下巻は、死後刊行の短篇集『すべて上昇するものは一点に集まる』と後期作品2点、年譜、訳者あとがきを収録。
十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人ーー。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。当時、期末テスト奪取を計画した高校生三人が校舎内に忍び込んでいた。捜査陣が二つの事件の結び付きを辿っていくと、戦後最大の謎である三億円事件までもが絡んでくるのだった。時効まで二十四時間、事件は解明できるのか!? 著者”幻の傑作”待望の文庫化。
大学二年の夏、サキは母親の計略に引っかかり、大っ嫌いな歯医者で受付のアルバイトすることになってしまう。個性豊かで、患者に対し優しく接するクリニックのスタッフに次第にとけ込んでいくサキだったが、クリニックに持ち込まれるのは、虫歯だけではなく、患者さんの心に隠された大事な秘密もあって……。サキの忘れられない夏が始まった!