2009年発売
曾孫よ、100年の謎を解いておくれ!大正4年、ホノルル。日系人御用達のホテル・白木屋に宿泊していた大富豪の美しい若妻・リヨが、海岸で謎の死を遂げる。その指からエメラルドの指輪が消えていた。リヨに憧れていたホテルの奉公人・直吉は必死に真相を探るが、わからずじまいに終わる。平成20年、横浜。直吉の曾孫にあたる大学生の慶一が、ネット・ショップでエメラルドの指輪を目にする。それは、曾祖父の遺品のガラス玉の指輪とそっくりだった…。ホノルルに実在したホテルを舞台に、ハワイ移民の秘話も盛り込んだ意欲作。
商談先で聞いてはならない会話を耳にしたことにより命を狙われる優司。敵なのか味方なのか…異国の血を引くアレクセイに助けられたのはいいが、命の保障と引き換えに求められたのは優司の身体だった…。アレクセイの愛撫に身体は堕ちても心まではと殻に閉じこもる優司だったが、彼を慕う人々に触れ…彼の過去が心の傷となっていることを知り、戸惑いながらも次第に…。エキゾチック監禁愛。
ヨーロッパの小国・アスレイノ。父親が日本人という異端児ながらも王宮警備軍に配属された玲は第二王子のエヴァンに気に入られ、半ば強引に王子つきの護衛官に…。聡明で人望もあるエヴァンだったが、玲に対しては子どもじみた執着を見せ、無理やり躰の自由を奪って抱く。弄ばれているだけなのに…玲には逆らうことも憎むこともできず…。そんな折、第一王子の執務室が爆破され…。強奪ロイヤルラブ。
「ネットにアクセスしてる時って、無限の宇宙空間にほうりだされた小さな星になっている気がしない?」ぼくたちはつながっている。ちょっぴりの勇気があれば、いつだって誰とだってつながれる。
時は寛政、11代将軍家斉の世。毎夜、公方様の寵愛を受けるべく三千人の美女たちが壮絶な暗闘を繰り広げる“女の牢獄”大奥。そんな男子禁制の女の園でひそかに起こる一大事の解決に孤軍奮闘する、男であることを捨て去った男。その名は、斎左門。将軍の隠密役を担うこの男を、奥の女たちは声を潜めて「大奥始末人」と呼んだ。一子相伝の刀術を極めた左門に今夜も勅命が下される。それは御台所に生まれてくる男子の暗殺…。
ノベライズ第3弾、ついに未来編解禁!! 「ジャンプSQ.」掲載の3本に加え、書きおろしエピソードで宿敵・ミルフィオーレの秘話が登場。ツナたちが殴り込む直前、入江正一・スパナ・γたちが内乱!? 天野先生の描きおろしイラストも満載。
小田原北条氏百年の最期にふさわしい“有終の美”を飾った男・北条氏照。三代目・氏康の三男として生まれ、第二次国府台合戦での活躍、越相同盟の実現、八王子城の築城など、「武」と「智」を兼ね備えた氏照こそが、北条氏を関東制覇へと導いたといっても過言ではない。豊臣秀吉による小田原攻めでは、徹底抗戦を主張し、始祖・早雲の夢「王道楽士」を追い続けた義将の生涯を描く力作長編。
弱みを見せてもいい。矛盾しててもいい。完璧じゃなくていい-“悩めるリーダー”にこそ人はついてくる。突然の降格、言うことを聞かない部下…身動きできない状態からの「再生と希望」の物語。
日本推理作家協会賞短編部門本年度受賞作・曽根圭介『熱帯夜』、田中啓文『渋い夢』収録。2008年推理小説界の概況、ミステリー各賞の歴代受賞リストも付いた、50年を超える歴史を誇る国内唯一無二の推理年鑑。
あかりと一緒に葉瀬中の囲碁部に入部することになったヒカル。仲間とともに囲碁大会を目指す。そのことを知ったアキラもまた、海王中の囲碁部に入部する。ヒカルともう一度対局するために。二人の対決が迫る!!大好評だった小説「ヒカルの碁」が、新装版として復活。
陽光に耀く地中海の浜辺のホテル、まどろむ二人の恋人を眺めながら青年は、遠い北欧の街での幸福な時間に思いを馳せる…ジョイスの手法をとりいれて描く表題作に、コロンビアからパリにやってきた美少女の出現が、コレージュの男子生徒たちに引き起こす惑わしに満ちた動揺を、神秘的な感動にみちたエピソードとともに描く青春小説『フェルミナ・マルケス』を併せ収める。魅惑の作家の淡く美しい名作二篇の新訳。
思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。…「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!…清く正しくまっすぐな青春を送ってきた“私”には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。ほかに、単行本未収録の短篇「雲行き」を収録。
小さな村に疎開してきた美しい姉妹。ひとりの男をめぐり彼女らの間に起こった恋の波紋と水難事件を、端正な都会的感覚の文章で綴った表題作ほか、空襲下、かつての恋人の姿をキャンバスに写すことで、命をすりへらしていく画家との交流をたどる「白い機影」など、初期作品8篇を収録。静かな明るさの中に悲哀がただよい、日常の陰影をさりげないユーモアで包む、詩情豊かな独自の世界。「小沼文学」への導きの1冊。 都会的感覚で描かれた戦時下の心象風景 小さな村に疎開してきた美しい姉妹。ひとりの男をめぐり彼女らの間に起こった恋の波紋と水難事件を、端正な都会的感覚の文章で綴った表題作ほか、空襲下、かつての恋人の姿をキャンバスに写すことで、命をすりへらしていく画家との交流をたどる「白い機影」など、初期作品8篇を収録。静かな明るさの中に悲哀がただよい、日常の陰影をさりげないユーモアで包む、詩情豊かな独自の世界。「小沼文学」への導きの1冊。 長谷川郁夫 パリサイ人・ニコデモは、いわば善意の傍観者として描かれていた。と記せば、新約聖書ヨハネ伝中のこの人物に小沼さんが興味を惹かれた理由は明らかだろう。父親とも、キリスト教とも、戦争とも等間隔の距離を置く傍観者としての立場を病める文学志向者は選択した、いや選択せざるを得なかったのだ。(中略)傍観者であることの苦痛は、憂鬱と倦怠、ニヒリズムの暗い気分となって、「村のエトランジェ」1冊に一刷毛の翳りを残している。--<「解説」より> 紅い花 汽船 バルセロナの書盗 白い機影 登仙譚 白孔雀のいるホテル ニコデモ 村のエトランジェ
西紀1614年。李氏朝鮮王朝で、非道な王が幼い異母弟の暗殺指令を下した。だが女剣士集団“琴七剣”は王子守護に回り、妖術師軍団“魔別抄”と死闘を繰り広げる。琴七剣最後の一人となった碧蓮は、怨敵の壮一鴻と心ならずも共闘し、活路を求めて日本に渡る。折りしも時は大坂冬の陣直前だった。古代より続く龍と鳳凰の因縁が、今、大きく動き出す。
日本軍の真珠湾攻撃で苦境に立たされた日系人たち。語学兵のジローは南方戦線で成果を上げ、強制収容されていたヘンリーは志願兵としてヨーロッパ戦線へ送られる。マットも軍に志願したが、日本語を生かして語学兵に転属となり、ジローとともに敵地に乗り込むという極秘任務を与えられる。彼らは新たな未来を掴み取れるのか。
殺された母親が隠していた意外な人間関係が犯人探しの鍵となる「ひめごと」、謎の死を遂げた音楽家をめぐる女たちの葛藤を描く「あやまち」ほか、「ほころび」「ぬれぎぬ」「うらぐち」「やぶへび」と、心の闇をゆさぶられ、思わぬ事件にはまりこんでいく人間の心理を四文字の言葉に託して描いた傑作ミステリー小説六編を収録。
長門守忠重が、藩主の世子を廃し、秘かに自分の子を後継に据えようとしているー荘内藩空前の危機、いわゆる「長門守事件」を題材とした、歴史小説の佳品である表題作。ほかに、武士の世界を女性の視点から描き、藤沢周平の巧みさと比類ない魅力を存分に味わえる「夢ぞ見し」など、初期短篇の秀作全五篇を収録。
あんたの仕事は、ハゲタカを消すことにある。そう、神宮警察署の悪徳刑事・禿富鷹秋を狩り立て、この世から抹殺するのだーヤクザも南米マフィアも手玉にとるあの極悪刑事の前に、最強の刺客が現われた。巧妙に仕掛けられた執拗な罠を、果たして潜り抜けることは出来るのか!?息を呑む展開の警察暗黒小説、シリーズの白眉。
渋六興業と禿富鷹秋の癒着関係を暴き、警察組織から追い出しにかかるーハゲタカを執拗に追い回す敵は、同じ神宮署生活安全特捜班に所属する、屈強でしたたかな女警部、岩動寿満子だった。寿満子は渋六の野田に、チャカ五挺と引き換えにある裏取引を持ちかけるが…稀代の悪徳刑事を衝撃のラストが待つ。