2010年12月発売
大川端で遭遇した武士団の斬り合いに、傍観を決め込もうとした想十郎だったが、連れの田崎が劣勢の側に助太刀に入ったことで、想十郎も藩政改革をめぐる遠江江島藩の抗争に巻き込まれる。シリーズ書き下ろし第6弾!
ホームズとモリアーティ教授との死闘を描いた問題作「最後の事件」を含む第2短編集。ホームズの若き日の冒険など、第1作を超える衝撃作が目白押し。発表当時に削除された「ボール箱」も収録。
度重なる刺客との戦いに、織江は疲れを感じていた。彦馬を好きでなくなれば、一人で逃げ切れるかもしれない。切ない想いに動かされ、織江は自らに心術をかける。「あれは一時の気の迷い。恋なんてすべていつわりなんだ。幻なのさ…」。そんなある日、織江は妻恋坂下で呼び止められる。相手はなんと、幼馴染みのくノ一、お蝶。彼女は果たして刺客なのか?一方彦馬は、静山の指示でついに江戸を離れることにー。激動の第9弾。
生き延びることが最大の勝利だった戦国の世、流浪の身から大名にまで出世した男が、戦塵の果てに辿りついたのはーー。豊臣秀吉に琉球征伐を願い、乱世に夢を追い続けた亀井茲矩の生涯を描く、本格歴史長編。
夏の盛りを過ぎ、朝晩には冷え込むようになった時節。曾路里新兵衛が「とんぼ屋」で燗の酒を愉しみながら女主のお加代と昔話をしていると、バタバタと升五郎が飛び込んできた。江戸を追放された暴れん坊・双三郎が帰ってきたというのだ。新兵衛は岡っ引きの伝七から双三郎の見張りを頼まれるが、彼が戻ってきたのには、ある深い事情があったのだった…。新兵衛が秘剣「酔眼の剣」を使い悪を斬る、大人気シリーズ第3弾。
元渡世人にして名医と評判の宗哲のもとには、患者だけでなく時に厄介な相談事が舞い込む。人宿に奉公の口を探しに来た女りゑは、将来を言い交わした男が思わぬ借金を背負ってしまったため売女奉公をしたいと言う。ところが証文を交わした夜、人宿の2階でりゑが突然、苦しみ始めた。請われて往診に出向いた宗哲は薬を処方したが、よくならないばかりか事態は思わぬ方に流れて…。円熟の腕が冴えわたる、人気シリーズ第2弾。
長野県安曇野。半年前に失踪した妻の頭蓋骨が見つかる。しかしあれほど用心深かった妻がなぜ山で遭難? 数日後妻と同じような若い女性の行方不明事件が起きる。それは恐るべき、惨劇の始まりだった。
美しき天才科学者・平賀と暗号解読のエキスパート・ロベルトは、バチカン所属の『奇跡調査官』。ある修道院を調査のため訪れるが、奇怪な連続殺人が発生し…!? 天才神父コンビの事件簿開幕!!
本当の愛を求めもがき続けた10代の切なすぎるラブストーリー。中学3年生の宝は、彼女がいる彼に片想い中ー。宝の兄・愛十は、自分でも認める小悪魔男子。でも実は忘れられない人がいた。宝と愛十の苦しい恋が静かに動き出す…。
錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光…。華麗な筆致と壮大な文学的探求で、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作「日蝕」。明治三十年の奈良十津川村。蛇毒を逃れ、運命の女に魅入られた青年詩人の胡蝶の夢の如き一瞬を、典雅な文体で描く「一月物語」。閉塞する現代文学を揺るがした二作品を収録し、平成の文学的事件を刻む。
伴侶である塔眞一族の三男、貴礪とともにミステリーツアーに参加した元骨董商の凌。行く先も行程も知らされないまま、豪華な皇帝列車に乗って大陸をひた走る旅ー二人は、五十時間以内に「唯一の宝石」を探せというゲームに加わるのだが…。そんな客たちの中に貴礪の大学時代の友人や元恋人などもいて、彼の過去が気になる凌で…。果たして「唯一の宝石」探しの秘密とは…?惑溺のラブトレイン。
二人の道の果ての向こうにあるものは絶望か、それとも……!? 馬車に轢かれた町娘のユーナは、謎の光に請われるがまま、同時刻に自殺を図った聖女・シェリアスティーナの命を繋ぎとめるため、彼女の身体に入り、1年間の期限付きで王宮で生活することになる。王宮での生活にも次第に慣れ、シェリアスティーナの婚約者であるアシュートに淡い恋心を抱きはじめたユーナだったが、シェリアスティーナの壮絶な過去を知り、王宮を彼女にとって少しでも居心地の良い場所にしようと、身代わり聖女としての残り少ない時間を彼女のために使う決意をする。一方、シェリアスティーナがユーナであることを知らないアシュートは、恨んでいたはずの聖女に好意を感じている自分にひとり苦悩していた──。