2010年4月11日発売
リチャード・マシスンの作品にインスパイアされ、人気作家が競作したトリビュート本。スティーヴン・キング&ジョー・ヒルの父子が『激突!』を親子版で描く。そのほか、『アイ・アム・レジェンド』の前日譚や、地獄の家の序篇等々、驚異の力作ぞろい。
舞台は東北自動車道、驚愕のノンストップ誘拐捜査! 岩手県雫石高原を目指していた大手進学塾・首都圏ゼミナールの強化合宿バスがハイジャックされた。人質は、難関中学合格を目指す小学五年生三十名。犯人は身代金十億円を要求する。車内には、停職中の警視庁捜査二課管理官・田名部昭治も娘とともに同乗していた。 大和新聞東北総局遊軍記者の宮沢賢一郎は、犯人グループが金融取引の専門知識を悪用して身代金奪取を企てていることに気づく。警視庁捜査一課特殊班捜査係(SIT)、特殊急襲部隊(SAT)をも翻弄する身代金受け渡しスキームを、宮沢と田名部は阻止することができるのか。バスは東北自動車道を北上、タイムリミットが刻一刻と迫る! すぐれた警察小説にして映画『スピード』も顔負けのノンストップ・サスペンス。誘拐ミステリーの新たな傑作が、文庫書き下ろしで誕生! 【編集担当からのおすすめ情報】 警察VS報道。警察小説好きに自信を持ってオススメできる一気読み確実のミステリーです。著者は元新聞記者ですので、誘拐事件における警察、報道の駆け引きをリアリティ抜群に描いています。東北地方の麺情報も満載のお得な一冊です。
四十九歳の筒井肇は会社人間。これまで家庭を顧みず仕事一筋に邁進してきた。そのため妻や娘は肇に距離を置き家庭の絆は崩壊寸前だった。取締役の椅子と引き替えに会社からリストラの最前線に立たされた肇は、同期入社であり親友である工場長の川平に工場閉鎖を告げる。結果的に友情を裏切ることになった肇は自らの仕事に悩み始める。そんな時、島根で暮らす母が、病に倒れたとの報が入る。見舞いに帰郷した肇だったが、そこで親友・川平の死を知らされる。肇は将来を約束された会社を辞め、小さい頃からの夢であった電車の運転士になることを決意するのだった。
事務系OLの青葉は、仕事で出会った男、朔郎と結婚した。新居は彼の赴任先の札幌の築十五年3LDKのマンション。新婚旅行のお土産選定に頭を悩ませ、料理のレパートリー向上に努め、ご近所付き合いにも前向きに取り組むなど、主婦業を全うしようとする青葉なのだった。それでも、うまくいかないこともある。ご近所さんに夫の極秘情報をうっかり流してしまい、初の夫婦げんかに発展したり、夫の両親が泊まりがけで来訪するという一大事に振り回されたりする。嫁は一日にしてならず、な日々を綴った、ムフフときどきトホホな新婚デイズ小説。
愛媛の貧しい農家に生まれた丑之助は、富豪の令嬢・可奈子に手渡した“ガリ版刷りラブ・レター”事件をきっかけに、十八歳で家を飛び出し東京へ向かう。昭和初期の日本橋、たまたま住み込んだ小さな株屋で小僧として働くうち、株の面白さに目覚めた丑之助は、独り立ちを決意、愛嬌のある性格と持ち前のカンで、相場師の道を突き進む!不恰好な体つきに強い田舎なまり。そのうえ金好きで女好き。だけど、どこか憎めない“ギューちゃん”が、カブト町を舞台に大活躍する、ど根性サクセス・ストーリー。書評家・北上次郎がオススメする名作シリーズ第二弾。
丑之助を株の世界へ導いてくれ、何かと可愛がってくれた富士証券の社長・木谷が自殺した。大恩人の死にショックを受けた丑之助は、株屋を廃業し、故郷の愛媛に帰る。一応の成功者と思われている丑之助は人々から一目置かれ、以前は雲の上の存在だった富豪の森家とも、東京の伯爵家に嫁いだ憧れの可奈子ともなじみの関係になっていた。その森家から船を借りヤミ商売を始めるが、やがて太平洋戦争が勃発。丑之助の株屋魂に再び火がつく。終戦後、混乱のカブト町へ舞い戻った丑之助は、事業を拡大する一方、零落した可奈子の世話を焼く。痛快、昭和の相場師一代記。