2010年5月10日発売
青春の賭け青春の賭け
戦後、虚脱と混乱の世相を体現するかのような烈しい生を、「可能性の文学」に殉じて壮絶な死で終わらせた織田作之助。三高での出会い、関西から東京へと共にした街歩きの青春、文学への熱情とデカダンスに駆られ自滅への道をひた走る流行作家の貌…。四篇の実名小説は、著者が親友に捧げた鎮魂の書であり、その文学の火種を九五歳でなくなるまで燃やし続けた“最後の無頼派”青山光二自身の青春の書である。
刻刻
若くして亡くなった在日韓国人女性作家。日本で生まれ育ち、韓国人の血にわだかまりつつも日本人化している自分へのいらだちとコンプレックス。母国に留学し直面した、その国の理想と現実への想い。芥川賞作家の女の「生理」の時間の過程を熱く語る長篇と、「私にとっての母国と日本」という1990年にソウルで、元原稿は直接韓国語で書かれた講演を収録。
PREV1NEXT