2010年発売
松平政宗は謎の忍び一族から受けた傷で死線を彷徨った。危機を脱した政宗を執拗に狙う知・業ともにすぐれた凄腕集団。事件の背後に見え隠れする次期将軍の座をめぐる暗闘。幕閣内で怪しく蠢く勢力から、四代将軍・徳川家綱を護ろうと、政宗は江戸を発った。一刻の猶予も許されないと向かう先は?その政宗を重武装の一群が追う!壮大雄渾の死闘ここに。
公会議を崩壊させるために戦略家ケロスカーが立案した作戦ーそれには、ウルトラ戦艦が必要不可欠だった。だが、戦艦の提供をアトランにこばまれてしまったローダンは、新アインシュタイン帝国の艦隊基地にある戦艦を強引に奪おうと考え、銀河の各方面に掠奪艦隊を派遣する。だが、アトランはウルトラ戦艦をすでにどこかに退避させており、掠奪することはかなわなかった。やむなくローダンはポスビに協力を求めるが…。
急逝した双子の兄、航の足跡を辿っていたライターの翔は、隠れ家のようなバー、ムスクローズに行き着く。そこは元議員秘書の柴崎がオーナーを務める店。柴崎と航は恋人同士だった…?二人の関係を探るうち、翔は柴崎の強引でありながら憂いを秘めた魅力にからめ捕られていく。同じ頃、翔は偶然にもある政治資金疑惑の取材をすることに…。兄の秘密とは…柴崎と事件の関わりとは…。闇を孕むスキャンダラスLOVE。
幼い頃、結婚を約束したウォーホード伯爵家次男のエドワードから突然の招待を受け、十年ぶりの再会を楽しみに英国を訪れた大学生の陸…だが、肝心のエドワードには会えず、代わりに屋敷で陸を出迎えたのは婚約を目前に控えた長男のライオネルだった。ところがライオネルは女優と駆け落ちしたという噂が…彼は偽者…!?真実を知ってしまった陸は屋敷に監禁されるハメに…。きらきら王子様の蜜月ラプソディー。
参議院議員・太田垣に入閣のチャンスが巡ってきた。そのためには、5人の愛人と縁を切り、身辺をきれいにしておかなければならない。早速、太田垣の個人秘書・早川が愛人たちと交渉に入るが、5人とも身を引こうとしない。すると愛人の1人が謎の死を遂げ、さらに残りの女性たちも連鎖的に殺されていく。殺人の容疑者に仕立てられ、窮地に立たされた早川。事件の裏にはいったい何が!?十津川警部が連続殺人事件の謎に挑む。
文芸誌の新人賞を受賞した香山は舞い上がった。早速会社を辞め作家へと転身するが、第2作すら発表できず苦悩の日々を送っていた。ある日、路上で自作小説を売る男・青空から作品を買う。文芸誌に発表したその作品は圧倒的反響を呼び、一躍人気作家になった香山は青空の作品を買い占めた。事情を知った青空は徐々に要求を増してゆくが…。心の闇と不条理が生む7つの完全犯罪を警視庁捜査一課棟居刑事が解く、傑作短編集。
八丁堀沿いで、目付・柏崎仙右衛門の家臣が居合の手練の手にかかり殺された。下手人の始末を依頼された流想十郎は、幕閣の要職にある牧田勝秋の娘・愛姫の、大名家への輿入れを妨害する動きがあることを知る。姫の身に、危険が迫る!浮かび上がる陸奥の外様大名・黒川藩に蠢く内紛、増上寺改修普請をめぐる思惑。仲間の田崎十郎太らと共に、想十郎は居合集団・千島一党との闘いに挑む。人気シリーズ第5弾、書き下ろし。
島の豆腐屋で働く津奈美はシングルマザー。産婆のオバァのかけたまじないのせいで、息子の姿を他人に見えなくさせられてしまった。まじないを解くためには、息子にかけた七つの願いを他人から奪わなければならないと知り、津奈美は決死の覚悟で陰の世界に飛び込んでいく。願いを奪うとはどういうことなのか。息子にかけた最後の願いとは何か?石垣島の自然と島の伝承を舞台に、若き母親が孤軍奮闘する壮絶な愛の物語。
夏祭りの夜の出会いから別れまでの濃密な恋の顛末を描いた「鶴」、失恋したばかりの一夜の出来事「七夕」、離婚した夫が転がり込んできたことから始まる再生の物語「花伽藍」、恋人とともに飼い猫にまで去られてしまった「偽アマント」、未来への祈りを託した「燦雨」。結婚という制度から除外された恋愛の自由と歓び、それにともなう孤独を鮮烈に描いた、彩り豊かな短篇集。
「私にとってアンタの存在はいったいなんなの?」萌さん、それってどういう意味?藤原萌実ー現役女子大生にして、公認会計士。その傍若無人な性格にはいつも振り回されるものの、能力、知識、容姿と三拍子そろった優秀な会計士だ。これまで彼女が監査先で出会う奇妙な事件を、僕、柿本一麻も一緒に解決してきたのだが、今回はどうやらそうでもないらしい…超実用的ミステリ、いよいよ最終巻!柿本の恋の行方は。
ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の幕開けだった…。待望の「粘膜」シリーズ第3弾。
岬にたたずむ黒い塔で、幽霊のおじいちゃんと4度目の春を迎えた僕。高校に無事合格し、親友の信久とのんびり春休みを過ごそうとしていたところ、塔に予想もつかないはた迷惑なお客があらわれてー!?魔女に魔道士、仮面の旅人、そして幽霊と、千客万来の不思議な塔。そこではじまる、わくわくするような出会いを通して、僕は僕らしく生きていく!!「魔法の塔」シリーズ第2弾、高校生編スタート。
資源衛星“パラオ”。そこは反政府組織ネオ・ジオンの拠点であると同時に、宇宙移民政策の歪みが生み出した「虐げられた民」の生活の場でもあった。それまで敵としか捉えられなかった人々と心を通わせ、少しずつ現実を見る目を養ってゆくバナージ。だが『ラプラスの箱』の奪還を目論む連邦政府は、“パラオ”に無謀とも言える攻略戦を仕掛けつつありー。SF文学の新たな可能性、慟哭の第4弾。
季節は初夏。今日も図書館塔最上階、秘密の小部屋で読書にふけるヴィクトリカの頭上に、金色の書物が落ちてきた。そこには“未来の汝よ。我は愚者なり。そして汝、愚者の代弁者となりて、我が愚かなりし秘密を暴け!”とメッセージが。時を同じくして学園にやってきた謎の人物。そして、時計塔で起きた密室殺人…知恵の泉のもと、すべての謎がひとつになるとき、王国の禁忌が白日のもとに!?人気ミステリ、急展開の第4巻。
“伝説の男”は“硬派な男”-唯一無二のあたしの野獣ー対立チーム、『デビセブ』に『野獣』のメルセデスが襲撃されたーミカゲまでもが襲われて重体に陥り、事態は最悪な方向へ…。そしてまた、決着をつけるためリュウキも…大長編、ここに完結ー涙と感動のファイナル。
愛してほしかった…ずっと愛情に飢えてた…多額の借金、家族崩壊ー愛のない家庭に育ち、心に闇をかかえたあたしは、18歳で家を飛び出した。あてどなく街をさまようあたしに、声をかけてきた一人の男。「ナンバー1にならないか?」あなたと出会って、その一言で、あたしは「マリア」になったーiらんど大賞2009優秀賞。
俺、28歳。金もなけりゃ、女もいない。定職にも就いてない。同い年の喜彦とつるんでは行きつけのバーで酒を呑み、泥酔したサラリーマンから財布を奪ったりしてはソープランドへ直行する日々。輝いて見えるものなど何もなかった。人生はタクシーに乗っているようなもので、全然進まなくても金だけはかかってしまう。そんな俺たちに今日も金の臭いがするトラブルが転がり込む。第11回大藪春彦賞受賞作。
捨てたはずの故郷に戻り、父が大金を持っているとの噂に踊らされた男。呆けて我がまま放題の母と猫の世話に煮詰まっていく女。売りつけられたスクーターに乗り、愛犬と骨を掘り出してばらまく少年。好きな女の先輩を安物の車に乗せて旅立ったプー太郎。夫のDVに苦しめられ、死んだチワワの骨を抱え岬に立つ女。北海道の風土に閉ざされた人間の闇をえぐる全5話。新境地を拓いた傑作揃いの短編集。